文系女子がドイツでリケジョになってみる ―未知との遭遇編

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JAVAとはヤヴァで、Cはツェー

JAVAやCというのはプログラミング言語である。もちろんそういうものがあるということくらいは聞いたことがあったが、ドイツ人はドイツ語読みするので、JAVAをジャヴァではなく、ヤヴァという。「ヤバイのか・・・」と一人でほくそ笑むのをやめるまでに1月はかかった。さらに、Cは「ツェー」だし、C++は「ツェー・プルス・プルス」である。HTTPは「ハーテーテーペー」。なんとなく気分が悪い。英語に慣れた日本人からすると、気持ちの悪いものである。

そもそも、ドイツ語はボールペンを「クーゲルシュライバー」、蝶々を「シュメッタリング」さらに乳児を「ゾイグリング」というのだから。。。

基本的に英語をドイツ語風に読むというのがIT系でのお決まりだが、読み方一つで印象は変わるものだ。

文系女子が苦戦したループ

ここまでわりとドイツのことを書いてきたのだが、早速、コンピュータ科学学部での生活について書いていく。

入学して驚いたのは、同級生の多くが既にIT関係の職業経験者やパソコンおたくであったことだ。だから、授業は初心者を意識していない。先生達も「これくらいのことはしってるよね」って感じで、授業を進める。

文系女子は、ドイツ語がわからないのか、それともパソコンがわからないのか、自分は何をしているのかすらわからなくなってくる。

最初の関門はforループである。これを理解するのに半日は蹲って考え込んだのをよく覚えている。

よく、プログラミング言語とはいうものの、難しいのは言語自体ではなく、考え方である。

例えば、「hallo」を5回画面に表示させたい。

そのとき、JAVAでは

for (int i = 0 ; i < 6 ; i ++) System.out.print("Hallo");

と書く。

文系に分かるようにこれを翻訳すると、

整数 i は最初0です。「Hallo」と一回出力するごとに、整数 i を1だけ大きくします。そして、この i が6未満である時だけそれを繰り返します。

という感じだ。

でも、なぜじゃあ「i < 5」と書かないのさ!5回なら5と書くべきだろ?と思うのが文系だ。

これを理解するまでに長時間を要したあなた、文系です。


とは言っても、卒業して就職した今になってみれば、なぜ理解できなかったのかが理解できない。

forループの後にも、オブジェクト指向にも初めはつまずき、回帰やポインターなども多少理解するのに時間がかかった。それも、今となればなぜ理解できなかったのかがやはり理解できない。それがプログラミングの不思議なところである。


ペンギンはパクチー

皆様は下のペンギンをご存知だろうか。知る人ぞ知る、リナックスのキャラクターである。リナックスというのはオタク用のOSである。皆様は上のペンギンをご存知だろうか。知る人ぞ知る、リナックスのキャラクターである。

WindowsやらMacOSといったオペレーティング・システム(パソコンを動かすための仕組み)は文系女子も知っているが、Linux(リナックス)というOSがあることはあまり知られていない。

しかし、コンピュータ・サイエンスをやる人には欠かせないOSである。

皆さんがお使いのOSではマウスクリックでフォルダーをあけたり、インターネットのブラウザを起動させたりするが、糞ペンギンOSでは、メモ帳のような場所にわざわざ 「$ cd myFolder」などと書き込んでフォルダーを空けたりしなければならない。

初心者が一度このリナックスを経験すると、WindowsやMacの素晴らしさが身にしみる。


しかし、使い慣れてくるにつれてLinuxの素晴らしさが分かってくるのがオツである。

漬物やパクチーといった食べ物を子供時代に嫌いだったのが、大人になると美味しさがわかる。そして、子供のころ好きだったファーストフードが不味く感じる。これはまさにウィンドウズとリナックスでも同様なのです。




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