新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(13)

1 / 2 ページ

前編: 新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(12)
後編: 新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(14)

課長との同行訪問

課長は平成元年のバブルの時に入社した方で、営業畑で生きてきた人間である。

20年以上もの間、ずっと証券営業をしてきたのだ。

いわば、証券営業のプロフェッショナルである。

そんな課長と一緒に営業をするのだ。

普通に考えれば、百人力である。


普通に考えれば。


しかし、僕は課長に対して何の期待もしていない。

いつも部下を怒鳴りつけるばかりでろくに営業に出掛けない。

10分に一回は煙草に火をつけて貧乏ゆすりをずっとしている。

言いなり客を見つけるのが営業の極意。

営業の存在意義は「客に高く売りつけるため」であり、「お客さまのため」という考えはない。

ずっと証券業界にいたからそうなったのか、もともとそういう性格だったのかは知らないが、僕の営業に対する考え方とは相いれないのだ。


そう、20年以上前の営業への価値観をずっと引きずっているのだ。

昔は、証券マンがいなければ株式は買えなかっただろうし、経済情報や知識をつけることができなかった時代なのかもしれない。

そして、どこの証券会社も同じ株式や金融商品を扱っていているので、ごり押しさえすれば買ってもらえたのかもしれない。

だが、時代が違うのだ。

株式はインターネットならば数百円~数千円の手数料を払えば大概手に入る。

投資信託だって、無料で買えるものもある。

よもや、海外の一流ファンドに直接個人が投資できる時代でもあるのだ。

それをわざわざ、手数料を数十倍払って、日本でどこでも買える金融商品を購入するのだ。

相当な信頼関係がないといけないし、人生のパートナーとなる覚悟も必要だろう。


僕は、正直、課長との同行は反対だったのだが、上司の命令は絶対である。

同行訪問を余儀なくされたのだ。


場所は伊勢崎市だった。

自動車の部品を作っている工場の経営者である。

年齢は50代といったところだろうか。


課長
こんにちは!
○○証券です!
社長
こんにちは。
お待ちしておりました。
課長
早速ではありますが、社長にとってもおすすめの新商品をご提案させていただきます。
社長
あ、はい。
課長
このパンフレットをご覧ください。
アメリカのシェール革命はご存知ですか?
今、実はアメリカのエネルギー業界が注目されてまして、○○○は新しくこの投資信託を販売しております。
▼▼▼という企業にも投資をしており、予想では株価は◆◆%の上昇が見込まれています。
4Pにも書かれています通り、~~~~

最悪だ。

最悪。

予想してた通りだ。

僕らは新商品を確かに売らなければならない。

だけど、あくまでもこっちの都合だ。

この社長は僕らにセールスを受けるために時間を作ってくれたわけではない。

あくまでも、自分の持っている投資信託の中身が知りたくて、それを見てもらうために僕らを呼んだのだ。

課長にはきちんと伝えたのだが、そんなことはお構いなしに自分の言いたいことだけをしゃべってしまっている。

みんなの読んで良かった!