「ありがとうございます」は魔法の言葉ですね
母が入所している特養に行ってきました。
母も気分の波があるので、このあいだから希死念慮のようなものが出ていて、「(自分で死ねないから)殺してもらう」というようなことを漏らしておりました。特に自室で一人になると訴えることが多いようなので、なるべく食堂にいる時間を長めにお願いしていました。他の入所者の方とも交流が生まれますしね。
そういううつの気分って私にも伝染するんですよね。親子だし、同じ病気の遺伝子もありますし。私もどっぷりとうつになっていたんですが、先日来、仕事がいろいろ入ってきましたので、そうも言っておられず、とにかくやろうとしているうちに徐々にましになってきました。
母の特養はタクシーでしか行けない場所なので、どうしても週に一度くらいの面会ペースになります。
今日の母は食堂にいましたので、結構落ち着いていて、1時間近くとりとめのない話が出来ました。
いつも朝からのシフトでお会いする男性スタッフさんがよくしてくださるようで、
「お礼を言ってきて(こんなにスムーズには話せません。私が翻訳しています)」と母が言います。
よほど感謝しているようなので、お手すきの所を見計らって(実際にはそんな暇はありませんが)
「母が『いつもあんじょうしてもらって感謝したい』と言いますので…どうもありがとうございます」と挨拶したら「いえ、そんな… (^_^;)」と恐縮しておられました (^_^;)
まあ、でもそういうのが母らしくていいなあ、と思います。
「私な、Tさん(母の70年来の親友)からは『ようあんたが倒れんで頑張ってるなあ』て言われてるよ。
普通の人やったら倒れてもおかしないけど、私はいつもパパやおばあちゃんたちやおじいちゃんたちや(父方と母方両方の故人、ですね)、おばちゃんたちに応援してもらって頑張ってるよ。
生きている人もたくさん応援してくれたはるし、生きてない(あの世の)人たちもみんなが背中を支えてくれたはるから、そうやから、毎晩寝る前にみんなに『ありがとう』言うて寝るんよ」
「ゆうちゃん(レスキュー隊員の甥っ子のことです。他府県に住んでいます)も仕事が仕事だけに、パパにいつも頼んでるよ。守ってやってね、って頼んでる。みんなが応援してくれたはるよ。ありがたいね」
…と母に話すと、涙を浮かべて「…がんばる…」と言っておりました。
…ちょっと元気が出たかな?あんまり「殺して欲しい」とか言わなくなるといいなあ、と思います。
こういう訪問は行った甲斐がありますね (^_^)
「ありがとう」という言葉は本当に魔法の言葉で、言った方も言われた方も気持ちがほんのり暖かくなる、非常にいい言葉だと思います。
世の中には「ありがとう」そのものに言霊があるから、お題目のように唱えるだけでもいい、とか言う人もいますけど、私はどうせなら相手の人にもほんわかした気持ちになっていただきたいので、本当に感謝の気持ちをこめて伝えます。
今日もすでに往復のタクシーの運転手さんと、特養のスタッフさんや母のお友達らしくおばあちゃんや数名の方に、それからスーパーのレジのお姉さんや機会があった人には「ありがとうございます」と言ってきました。感謝の気持ちと感謝の言葉はいくら言っても減りませんし、それどころかどこかに利子が貯まっていくんですよね。
それに気付いてから、こういうことがもっと増えれば世の中がもう少し幸せになるんじゃないかなあ、と思っております。宗教でも道徳でもありませんけど、でも多分、使うと気持ちいいことは確かです (^_^)
お読みくださった方々、どうもありがとうございました(^^)
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