二十年間住み続けたごみ屋敷。おれはついに対決を決意した。そして。

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歴史と伝統のごみ屋敷


残念ながら我が家はごみ屋敷の部類に入る。

ドアを開けたらゴミ袋が天井までぎっしり、というような超絶ごみ屋敷ではないが、やはりごみ屋敷。

もちろん捨ててはいる。だが放置しているものも沢山ある。本やら衣類やら。要するに片付いていない。


片付けが下手くそだ。とにかくめんどくさい。

そして掃除は嫌いだ。まったく手を付けない。

それに輪をかけて、母親も片付けや掃除がダメダメだ(笑)


そのダメダメな家族が住み続けていつの間にか二十年。


部屋はわけの分からない大量の何かがうず高く積み上がり、寝る場所を除けば細いけもの道がかろうじて確保されている程度。

廊下も、押し入れも、納戸も、必ず何かしらがあって空いたスペースがまったくない。

お金はあればあるだけ使ってしまうと言うが、空間はあればあるだけ埋まってゆく。

だからもうそれが当たり前で、何も感じなくなっていた。



これではいけない。



おれはこのまま、ごみに埋もれて一生を終えるのか。



いやだ。



おれだって、絶対に変われるはず。



ずっとうずくまっていたのは、なんのため?

今、ここから、翔び立つためだ!!


多分に外的な要因もあったが(要するに他人にケツを蹴っとばされた)おれはついに、このごみの山と正面から対決する決意をしたのだった。


かくして、自分史上最大、空前絶後の「おそうじ大作戦」が幕を開けたのだった。


捨てども捨てども……。


まずは、捨てる。

とにかく捨てる。


意外と律儀に取ってある携帯電話や各種支払い明細。

放ってあったダイレクトメール。

好きだった娘にもらった、あれやこれや(笑)


ちょっと見れば、不要なものは意外と多い。

リサイクルとか何とかは考えず、無心に捨てる。


と言えばちょっとかっこいい(笑)


が、捨てども捨てども、ごみは減らない。

空いたスペースがまったく出てこない。


今回は本当に「徹底的に掃除する」と決意していた。

だからものすごく大胆に果敢に突撃した(と思うよたぶん。)


たとえば、テレビ。

ブラウン管仕様の巨大なものだ。が、あってももう意味がない。



捨てる。



それと繋がっていたビデオデッキ。なんとVHSだ。

確かにビデオはまだいっぱい残っているし再生デバイスは必要と思う。

だが、いつ見るのか。


「いつか使うから」の「いつか」は、ほぼ絶対にやってこない。

何の問題もなく使えるデッキだったが、思い切って。



捨てる。



さらにそれらが載っていたキャビネット。

これも手離す決意をし、解体して。



捨てる。



だがしかし。

空いたスペースはやっぱり、まったく出てこない。

一時的に散らかった状態にあるとはいえ、進み具合が遅すぎる。


せっせと片づけて、二日、三日……。

やはり全然片付いたようには見えない。



よろしい。

ならばこちらも本気を出す(そこ!今までは何だったんだ?とか訊かない)


明日の休日は朝から総攻撃だ。


そう誓いながら、ごみの山に埋もれて眠る夜。



おれは ぜったいに かわるんだ……。



圧倒的な戦力差


明けて休日。


今までなら休日はすっかり力尽き、昼過ぎまで寝ていた。

時には夕方まで寝ていることもあり、なにもせずに一日が終わる。

そんな週末だった。


その自分が、午前中から起きて活動している。

それだけでも驚異的な進歩だ。

量産型ザクから、赤い彗星に乗り換えたような気分。

「3倍!!!」

と思いながら、当たるをさいわい、ちぎっては投げちぎっては投げ(文字通り)


・ステレオ2セット

・ホットカーペット

・炊飯器

・電話機

・目覚ましほか時計4個くらい

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