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16/2/20

ど素人 高田支配人の現場改革 4 サイは投げられた

Image by Olia Gozha

K部長の仕切る営業部室で4名の営業マンと共に営業ミーティングが始まった。

高田も此処では一営業マンとして営業実績に責任を持つ立場になっていた。

しかも 営業マンとしての経歴は、お手伝い程度にかじった経験が2年ほどあるだけだった。ここでは10年近く営業一筋で経営を支えてきたベテラン営業マンが終結しており、

営業ミーティングでのやり取りに高田はまったく入ってゆくことも出来ず、ただ傍観してた。

「支配人は今月何件が目標ですか」

いきなりK部長からの質問にわれに返った高田は、返す言葉も無く、「何件って、、、、」

「獲得する自信が無いので、K部長の同行でしばらく一緒に回っていいですか?」

K部長はしばらく黙っていたが、

「分かりました、私だけというのではなく、4名に毎日別々に巡回して同行してもらいましょう。」

こうして、おんぶに抱っこで、厄介者となったような気がした支配人は、面子も無くなったと嘆く暇も無く、心の中ではしきりに昨日のA副社長の指導を思い起こしていた。

「飛び込め、考えている暇があったら、現場で一緒に汗を流して 現場の声を聞き続けるんだ。」

 

 

その日から昼間は営業同行に出て、お昼ごはんは社員と一緒に社員食堂で食べ、夕方の宴会のセッティングをバンケットのおばさんたちと協力して進め、その後又営業に出発した。

 それからは 仕事のスケジュールに追われる毎日が始まった。

 

 とにかく、現場で一緒に汗を流しなさい、という副社長の言葉が耳の奥に残っていて

頭でっかちの自分を捨てて、現場に徹しようと決めたのだった。

 夜は 宴会が終わる8時半頃に戻ってきて後片付けを手伝い、夜10時くらいに営業部室に戻ってきて自分の明日の日報を書くとともに 営業部員たちの帰りを待って報告を受け

最後に式場の全社員が帰るのを待って鍵をかけて帰宅した。

自宅に到着すると、大体夜の11時くらいになっていた。

 

 こんなスケジュール闘争のような毎日を無理やり過ごしながら、高田は、これだけ社員の仕事を手伝いながら一生懸命やっていれば、社員の反応もほぐれて 仕事もやりやすくなってゆくだろう、と勝手な期待をこめて日々を過ごしていた。

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