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16/7/14

それでも恋は恋~ひでお物語~

Image by Olia Gozha

文学部に入ったひでお少年。




さすがに男はすくなかった。


共通科目などのクラスでは、男子は一割くらいだったかもしれない。


そんな新しい仲間たちで、新入生歓迎コンパというのを開催することになった。





歓迎という割には、参加者は一年生ばかりで、いったい誰が企画したのか定かではなかった。


そして誰に歓迎されるのやら。



駅前の居酒屋に新入生たちがわいわい集まった。やはり女の子が多かった。


とりあえず、こういう機会をねらって、彼女探しをするのだろうな、狼たちは・・・。


ひでお少年はどこか斜めに見ている節があったので、

とくに積極的に誰かと仲良くなろうとはしていなかったが、

それはしらふのときだけで、だんだんとお酒が入ってくると、いつもより陽気になっていった。



こんなふうにお酒を飲むのは、2回目だった。




ひでお少年のとなりにみきという名前の女の子が座っていた。


とくにかわいいというわけではなかったけど、話やすかったので、いろいろと話をした。

いままであまり初対面でべらべらと話をするたちではなかったが、

ここは酒の力ですらすらと言葉がでてきた。



自己紹介とか、アトラクションとかいろいろありながら、結局自分は酒に飲まれた。



あげくに反対隣の同じ研究室の男に酒をぶっかけて、ちょっと場がしらけたりした。



そんなコンパだった。




おわった後は自転車でふらふらと、お酒ぶっかけた男の下宿先に泊めてもらった。


寝るまでにいろいろ話をした。結構、腹を割っていた。

話をしながらひでお少年は泣いていた。


高校時代の悲恋の話だった。



なんかまだまだ青かったなぁ~。



二日酔いで目覚めた朝、なんとなく昨日のことを思い出す。


自己嫌悪。


ふと、となりにすわっていたみきのことを思い出した。


そして、その後講座などで顔を合わすこともあった。



英語の時間などは、番号順に席が決まっており、ひでお少年の真後ろの席だった。

たいてい話をした。

しらふでも結構話ができた。仲良くなっていった。


けれどもそれだけだった。

なんとなく仲がいい感じ、でも、グループ交際までかなって感じの友達関係。


それだけの関係がつづいていたけれど、

ある日、ひでお少年は行動にでた。




大学一年生の秋、前期の講座がおわって、なんとなくのんびりとした秋の日の夜だった。





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