とある教室の片隅で 〜Misuzu's Lesson〜

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後編: とある教室の片隅で 〜Misuzu's Lesson2〜



『美鈴先生ー!いるーー?』


今日もまた廊下から元気な声が聞こえてきた。

あおいちゃんは彼女が高校1年生の時に受け持った生徒だ。


もう3年生にもなるのに

自分の将来のことや夢ややりたいこと、叶えたいことが

わからなくて悩んでる。


何か疑問がわきあがった時や

何か気づいたことがあった時には

私の部屋に話しに来るのだった。



この場所は校舎の4階の東の角部屋。

資料室の管理者として任命されたのをいいことに

普段、授業としては使っていない資料室を整理して

私の居場所をつくった。


日当たりもよく

教室棟とはちがって

生徒達の賑やかな声も遠くに聞こえる程度で実に落ち着く。


だから

生徒との個人面談や相談ごとをうけるにはうってつけの場所でもあり

普段は自分がホッと一息つきながら

教材研究や授業の準備をする場所として気に入っている。


今は放課後。

授業を終えて、ホッと一息

珈琲でも淹れてゆっくりしようか・・・と思っていた矢先に

聞こえてきたあの声。


『美鈴先生ー!いるーー?』


ガラッと扉が開く。

資料がびっしりつまった本棚で

入り口から私のいる場所は見えないのだが

勝手知ったる彼女は

ずんずんと中に入ってくる。

みんなの読んで良かった!