元心臓病のホームレス少年が カリブ海に住むようになった3つの理由

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再びアメリカの地に降り立った少年は 今度こそはと一念発起して大学で単位取得に励む


1年後 取得出来た単位の総数は進学に満たない数で


再び退学の宣告を受けてしまった


自主退学も含めると実に人生で4度目の退学だ


ならばと少年はまだ諦めず トランスファーを果たし 新しい大学に編入した



新しい大学でやっとの事でライティングやジャーナリズムに関しての授業を受ける事が出来た


この分野を勉強する為に苦心の思いでこの地に渡ったのだ


文章を書く事には絶対的な自信があった


根拠は無い 


ジャーナリストになると決めたその瞬間から 自分には文章で人の心を動かし


伝えたいメッセージを余す事無く表現出来ると信じていた



渾身の出来栄えだと思われた 作品をプロフェッサーに提出した



きっと素晴らしいという評価で返ってくるに違いない


そう確信し ワクワクしながら評価を待ちわびた



手にしたペーパーに記されていたのは F の評価だった


ファンタスティックのFではない 



ABCD に次いで 最低評価のFだった




おかしい



もう一度挑戦だ



何度も何度もペーパーを再提出してみたものの


評価は大して変わる様子を見せなかった




この授業を受ける為だけに数年を費やしてきたと言っても過言ではない


それ程までに待ち侘びた授業であった筈なのに



よく考えたらライティングの基礎のキの字も学んで来なかった


なんなら高校で取得した単位はゼロだ


自信にいかに満ち溢れていようとも 肝心な知識 技術 そして 英語能力が欠けている事に 少年はまだ気が付かなかった


それ程までに自分の力を過信していたのだ




納得がいかなかった少年は


AやA⁺を取っているクラスメイトに頼み込み


彼らのペーパーを見せてもらう事にした



彼らはこの授業を受ける為に生きてきた人間ではない


単純に卒業に必要な単位取得の為にやむを得ず受けているような人間だ



授業に賭ける思いで言えば少年の方が数倍上の筈だったのに
スキルの差は彼らの方が何十倍も上だった



彼らの書いた文章を読み 少年は愕然とした




これが 文章なのか。 これが表現なのか。



烏滸がましくも 自分が文章を書いてメッセージを伝える事によって世界をひっくり返せるとまで信じていた自分が



如何に勘違い男であったかをその瞬間に思い知らされた



悔しくも その文章を読んで涙が出るほど感動してしまったのだ




彼らは当然そんなつもりで書いてはいない


とりあえず出しとけば大丈夫だろうという思いで 書いているだけなのに だ




このレベルの学校のこのレベルのクラスでこのレベルの人間とさえ


同じ土俵に立つのが憚られるような自分が



今までジャーナリストになるんだ という一心だけで


よくもそれを口にしてくる事が出来たものだと



本当に自分の存在の無意味さが 身に染みた


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