なんちゃって外資系 その9 そうは言ってもいる編

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ここ迄皆さんのイメージしている外資系企業で働く人たちと違うことばかりを語って来ましたが、やっぱりいるんです、、、、イメージ通りの人達も。

外資系に勤める人達は、やっぱりタワーマンションがお好き。

ディレクター以上だと都内の品川区、最近はウオーターフロントのタワーマンションの最上階と言うのが流行りだ。

外資系証券会社のお偉いさん達はいつまで今の高給を維持できるか不安なのだろうか賃貸物件に住む人が多い様だ。収入が減ったら、又はゼロになったら安いところに引っ越せば良いと思っているのだろうか。

もっとも家賃が30-40万円の所にに住んでいるのだから年間4-500百万円。

一般のサラリーマンの年収かそれ以上。

そんなに将来に不安があるなら、もっと安い所に住んで貯金すればと思うのだが、

これには「からくり」があって、賃貸契約を会社経由の契約にして従業員は賃料を社宅使用料として会社の支払う形にすることによって課税される収入が減ることになり実質半分の金額で住むことができるからだ。

月給200万円の人がこの給料の中から家賃30万円を支払っても税金には関係ないが、もしも上記の様な形態を取ると月休が170万円になり減少した30万円に対する税金、税率が50%と仮定すると15万円税金が減ることになる。

家賃の金額が多い程節税額が大きくなるので、給料が増える訳では無いのだが、ついつい高い家賃の所に住みがちなのである。


一方、製造業やIT企業に勤めるエグゼクティブはより安定しているためかマンションを購入するケースが多い様である。

都内のタワーマンションともなると広さと何階かにもよるが安くて郊外に一戸建てが買えるくらい、高いものでは7億円を超えるものをSUUMOのウェブで発見した。まあ、1〜2億円というのがターゲットになるのだろう。7億円の物件でも広さは150平米だからとてつもなく広い訳では無い。

夫婦揃って外資系のマネジャー以上の共働きか、実家が豊かで生前贈与された資金をつぎ込むというのが一般的。問題なのは前者。

離婚した場合、残存のローンをどうするのか?

マンションは損失を出さずに処分出来るのか?

収入が多い方がマンションとローンを引き継ぐ場合、最初のうちは友達を呼び込んでパーティーに勤しんでいるが、皆んな忙しいのでその内に飽きられ広いリビングで独り。


お金が出来ると次にお金をつぎ込むのが車。

外資系の社長ともなると社用車が報酬の一部として提供される。

更にビックリなのがオフィスの駐車場代。

六本木、大手町となると普通の独身サラリーマンの家賃並。


前に勤めていた外資系IT企業で部長クラス以上でのゴルフコンペをやった時のこと。

中途採用のとある部長がマークIiでゴルフ場に行ってみると、彼以外皆んな外車。

それも過半はベンツ。


その後勤めた外資系で爽やかな感じのディレクター。

体育会系で質実剛健?と、思っていたが車はポルシェとのこと。

「いやあ中古ですから。」

中古のポルシェこそ金食い虫だと私は知っている。


このディレクター、大のワイン好き。

「そんな高く無いワインを2日で一本空けるぐらいですよ。」

そんな高く無い、が1万円を下回る位と知って、直ぐに月額15万円近くと計算してしまったが、更に

「記念日なんかにはもうちょっと高いのを妻と二人で飲みますけど。」

ちなみにこういう人が社内に一人という訳でなく結構いたりする。

「子供のお食い初め式でオーパス他3本を開けました。」って、子供まだ飲めないでしょうし!


日本の会社でもゴルフ談義は盛ん。特に月曜の朝は、

「週末はドライバーが飛んで飛んで。」だの、

「ゴルフスクールのコーチとラウンドしたんだけど・・・」と、話がもりあがる。

月曜日の朝に経営会議があった時も最初の30分はそんな話。やらないものには時間の無駄でしか無い。

この個人レッスンと言うのがまた盛んで、おじさん達だけでなく若いお姉さん達も、

「あのコーチ格好良いのよ。」と、どうやらコーチ力だけが狙いで無い様な。


とある社長さん。ゴルフを再開。例の如く個人コーチについてレッスンを受け、コースレッスンも受け、ゴルフ会員権を購入することに。

「そうそうゴルフ場に行くので車がいるので買うことにしましたよ。」

それまで都心のど真ん中の自身で保有しているマンションに住んでいて通勤時間は徒歩10分。車など必要がなかった。

ちなみに車種はBMWのコンパーチブル。


外食も社用、プライベート共、中々豪華である。

所得が高いのと忙しいので外食も多くなりがち。ストレスフルな日常を忘れる為に飽食に至る人も。

外人のゲストが来た際に如何にスマートに接待するかが結構本社での評価につながる。

相手の格に合わせて「松」「竹」「梅」の各レベルを日本的な店と、疲れを見て取った場合の欧米風の店を押さえておくことが重要。

日本に来るのは初めてという同僚クラスなら居酒屋やしゃぶしゃぶの飲み放題付き何て言うお得なコースで十分。

日本通のディレクターレベルなら西麻布の「権八」がお勧め。店員が英語を話すので何かと便利。

またブッシュ前大統領が小泉前総理と会食で来ていたり、映画「キルビル」の撮影で使われたと、話題に事欠かない。

エグゼクティブクラスなら虎ノ門の「ノブTOKYO」がお勧め。俳優ロバート・デニールとノブことオーナーシェフ松久信幸による共同経営でニューヨークで大成功を収めたレストランだ。

入った処にバーがある所がアメリカっぽい。店員も外人が大部分。

左に奥まった所がキッチンで白衣を着た職人さん達がキビキビと動いているのが心地良い。

メニューはコースもアラカルトも定食も有るので予算に応じてチョイスが出来る。

個人的には前菜で刺身サラダ、メインを肉か魚。締めに寿司を握りと巻物、というのが好み。

安く上げたかったら前菜を幾つかシェアして、名物のブラックコッドの西京焼ディナーと言う名の定食。後は好みに応じてデザート、コヒー。

お値段は少々張るがエグゼクティブクラスでも本国に帰って自慢出来ること請け合い。


この様な生活態度は外資系に最初からいる人達に顕著に見られる。

日系に20年間いて外資系に転職した身としては未だに中々慣れることができない事の一つ。











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なんちゃって外資系 その10 終幕

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