きれいなのがフツー幸せがフツーの私になる⑤次男と20歳差 挑みましたよ高齢出産
週末に夫が訪ねてくる、別居結婚生活がはじまった。
私は占いの実践を積むために、京都から大阪へ通い終電で帰る生活。
まだ占い一本では食べていけなかったので、早朝パン屋で働いた。
子供たちは学校にバイト、遊びで忙しい。
個々それぞれ自分のペースで暮らし、時間が合えば一緒に食事するくらいで、結婚式を挙げた後も何も変わらなかった。
そんな暮らしを続けて2年ほど経った頃、知り合いが家を売らないかという。
いわくつきの家だったので簡単には売れないだろうと思っていたところ、うまく取り持って売れることになり、またタイミングよくは母が店を一軒閉めるので、そこに家を建てないかという。
それまで仕事だけをして使うヒマがなかったから、まとまったお金を持っていた私。
夫は真面目に勤務していたおかげで、ローンも難なく通った。
建売で十分と思っていたのに、店跡で解体工事をしなければならなく、自然と注文建築への流れとなった。
物事が運ぶときというのは、こういうときのことをいうのだと思った。
何の計画もなく予定もなく、一生これまでの家に住み続けて、高金利のローンを払い続けていくのだと覚悟していたのに、ある日突然に話しを持ちかけられ、トントンと進んだ。
それを機に、夫と一緒に住むことになった。
長男は早くもやりたいことを見つけ、早々に家を出て行ってしまった。
次男と夫と私。
仕事にもメドがついたので、大阪を切り上げ自宅で仕事をスタートさせることにした。
新築の木の香りに包まれて起きる朝
これは現実だろうかと毎朝、目を疑った。
過剰な金利がついた薄暗い家
借金取りに居留守を使い
朝から夜まで夢見て必死に働き、勉強した日々
その頃はその頃でとても楽しかったけれど
陽の光りがさんさんと入る家で、応援してくれる息子と夫をそばに、私は自分の好きなことを仕事にして収入を得ている。
これが現実
私が手にした今の生活と実感できるまで、本当のことをいうと少し時間がかかった。
だって、苦労しくてあたり前
辛くてあたり前
我慢してあたり前
幸せになれない自分があたり前だったから。
これを機に、こんな不幸マインドともすべておさらばした。
これからは、きれいでフツー幸せでフツーの毎日を送るんだ。
仕事も順調すぎるほど順調だった。
家事は二の次に好きなだけ仕事しても、応援してくれて肯定しかしない夫。ともて心強かったし、すべてにおいて自分に自信が持てるようになった。
そんな忙しい日々が続いていた中、体調不良が続いていた。更年期だろうと、病院に行くまでもないと放置し、そのまま追われるように仕事をこなしていた。
食材をオーガニックに変え、散歩に行くなど生活習慣を改善しても体がやたら重い。更年期外来でいいところがあるからと紹介してもらい受診したら
「あなた、妊娠してますよ」
しかも、五か月入ってます。
信じられなかった。
どうしても信じられなかった。
だって、セックスレスだったもの、私たち。
こんなことがあろうか。
頭のなかがグルグルと駆け巡り、セックスレスだけど夫以外の子供はありえない。妊娠って、ど、ど、ど、いうこと。
ワケわからないまま、とりあえず妹に電話した。
直観の鋭い、蠍座の妹はひと言。
女とか男とか、それ以前の話やし。
帰宅してきた夫は
自分の子供かどうかを疑っているのではなく
一生独身と決め、子供は持たないと決めていた夫は、結婚生活にすらまだ慣れていなかった。それより何より、息子のことを気にとめてくれていた。
仲良くは暮らしてはいたものの、どんな気持ちがするだろうかと。夫婦で話し合ったけれど、答えはでなかった。
20歳差
ありえない
息子の子供でもおかしくないのだ。
それに、仕事も忙しい。
今のこの生活を考えると、答えがでなかった。
でも早く答えをださなきゃいけない。
時間だけが流れる。
勇気をふりしぼって、成人している息子に話した。
妊娠してるらしいわ
オレに弟か妹ができるの超うれしい
やったー!!!!
うわあ~ん
ありがとう!!!
母子手帳交付のために、入籍し
20年ぶりに挑んだ42歳での高齢出産。
婦人科の先生も、前例がないのでワカラナイと言う。
リスクを避けるための検査は一切拒否した。
どんな子供であっても、5か月まで私に見つからないように命を育んでいたのだ。迷い続けた両親に、私の妹に、自分の兄に生めと言わせたこの子は、絶対に生命力逞しいに違いないはず。
そして、息子たちのときと比べ物にならないほどの超安産。
しかも、ハイスピード。
先生も、その様子に
こうして、娘誕生となり家族4人の生活がスタートした。
ちなみに、相変わらず折り合いの悪い母には事後報告。
そして妊娠報告をした時の長男の反応は
母親が考えていた以上に、大人になっていた息子たちでした。
著者の金子 元美さんに人生相談を申込む
著者の金子 元美さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます