うつだっていいじゃない!【其の八・休職】
【休職とリフォーム】
会社での産業医面談を行ったり、近所でよさそうな心療内科を見つけたり、そんな最中に父が実家のリフォームをすると言い出したり、身辺が色々と慌ただしくなりはじめた。
どのようなもの順序で物事が運んだのかは正確に覚えていないが、最終的には産業医に心療内科で書いてもらった診断書を提出することで、3ヶ月の休職という結論に落ち着いた。
休職後、会社に足を運ぶのは月に1度の産業医面談のみ。具合が悪くなりがちなラッシュの電車に乗ることは避けたかったので、面談は午後に設定してもらった。
いざ休職となり少し気分が楽になったような気もしつつ、実際には職場や仕事がストレスに直結しているとは到底思えなかったため、何ともモヤモヤした日々が始まった。
閉所恐怖症になったことはないが、やはり通勤電車で体調を崩すというのはパニック障害に近いものがあったのかもしれないと考えたりもした。
休職後にしていたことは、冒頭で触れた実家のリフォーム見学。
毎日のように足繁く通い、職人さん達の腕前に感心していたものだ。
ただ営業があまりに雑な対応をしてばかりで、リフォームは開始早々大騒動となってしまった。
追い焚き機能の設備がない家に、追い焚き用の穴を開けた浴槽を運び入れたのだ。
もし穴あき浴槽を設置してしまったら、再度新しい物を入れる際に風呂場を全面解体しなければならない。
そうなったら、工期が延びるだけでなく何日浴室が使えなくなることか?
ただでさえ気の短い父。
営業をこっぴどく怒鳴りつけることもしばしば。
もしそこに私がいなかったら、誰が父のガス抜きをしていたのだろうか…
その後も色々とトラブルは続くのである。
イラスト/ ©2016 つばめとさくら
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