私を変えた14日間の小さな命

2 / 3 ページ


『名前は私らの名字のイニシャルとってKにしよ』

『うん!……あっ!Kならコテツは?じゃりン子チエの小鉄!(笑)』

『小鉄かぁー。ェェやんそれ。なら決まりッッ!!名前は小鉄。』

と秒で決まり…命名  小鉄くん!

●変化

とまぁー素敵な流れで出会い小鉄と名前も決まり新しい生活がスタートしました。

小鉄が大きく私の体を心を全てを左右します。
私には持病があり…その持病が落ち着いてくれてたんですが、小鉄と出会う2ヵ月程前から悪化し薬が無いと過ごせない弱い体になっていました。
いつもなら、あまり長引かないのに今回は長く続いてて旦那チャンもかなり心配してた。
小鉄と出会った日も薬を使っての外出!
そんな生活だったのに…私の中で一瞬にして変わった『小鉄は私の子。犬ちゃう。人間!我が家の4男坊』の感覚が芽生え、産後直ぐと同じ気持ちになって愛おしすぎて中々落ち着かなかった病が落ち着いた!家族で外出となると薬は使ってたけど平日の生活は薬無しでも過ごせてた。
外出の時は、出先で倒れたら家族全員の休日を台無しにしてしまうことになるから、そうしない為に服用しただけやから、ほんまなら服用しやんでもイケたかも分からん!!!
離乳食みたくフードをふやかしたり、哺乳瓶でミルクを作ったり…やってること全てが産後のママだった。十月十日お腹の中で育て、出産して…私だけの可愛い可愛い息子となった。
我が家には元々2匹の犬がいますが…最低な言い方かもしれませんが私の中ではペットです。
今でも感覚や思いは変わらずペット!
そんな感情、今まで我が子以外に抱いたこともなかったのに…小鉄にはヤラれた。
我が子と同じように接することが出来るようになった!
ペットじゃない!息子!
犬じゃない!人間!
こんなにまで私を変えてしまう命と出会うなんて思いもしなかった。

●13日間
私には子供が4人いた!
小鉄が生まれて5人になった。
いつも以上に慌ただしい毎日が始まり
一番下だった2歳の娘以上に手のかかる赤ちゃん小鉄に朝から晩まで付きっきりで育児。
娘もお姉さんになったように変わり『うんちしたよ』『ねんね』なんてお手伝いもしてくれるようになり忙しいながらも楽しい生活をしていた。
我が家にも慣れ部屋から部屋への移動も出来るようになったり、けど甘えん坊さんでママの後ろをナニしてても付いて来る。
丁度、春だったから桜を初めて見に行った。
これが最初で最後のお出掛けでした。
我が家に訪れる人みんなから『可愛い猫ちゃん』と猫と間違われ、犬だと言われたことは1度もなかった小鉄(笑)家族みんなに元気や笑顔を与えてくれる毎日でした。
13日目に初めてお風呂にも入りました。
小さくて壊れてしまいそうな体を優しく優しく触りながらの入浴。怖がってたけど気持ち良さそうにしてた。ご飯は少食だった小鉄だけど、ちゃんと食べ
ミルクも飲むし、水も飲み、嘔吐や下痢も全く無く、目つきや歩き方、走り方もナンの異常もなかった。ぐったりすることも1度もなかった。
元気そのもので我が家のアイドル。

●突然訪れた別れ

体調が良い日も続き可愛い我が子に囲まれて幸せな毎日に突然訪れた悪夢。。。
土曜日…小鉄は元気にお目覚め。
朝ごはんもシッカリ食べ遊び…ミルクを飲んだり、寝たり、遊んだり。
私はHappyすぎて浮かれてた。
夕方…5:30小鉄はご飯を食べました。
4粒だけご飯を残し満腹の様子でリビングをウロウロ!!!
5:37…娘が小鉄を抱っこしている姿を確認!
私は『仲良く遊んでる』と更に嬉しくなり晩ご飯の準備を始めた!
もう一度、時計を見たら5:47!!!
子供達は2階の子供部屋で賑やかに遊んでる声を確認!
1階が静かになると小鉄は直ぐに寝る子だったから
お腹もいっぱいだしスヤスヤ寝てると解釈!
夕方6:00…娘が2階から降りて来て『うんちしてるー』と私に言いに来た!
トイレではない場所で失敗してたから…『小鉄ゥ〜』と呼びながら『また失敗したのねぇ〜』

あれ?呼んだのに来ない!
気配を感じない。。。
なぜ?何処行った?いつもなら直ぐ来るのに。

小鉄の部屋を覗く…
おらん…。(かなり不安になる)
おった!寝てる!
ん?寝てても呼んだら直ぐ起きる子やん!
(更に不安になる)
『小鉄』と呼びながら近付く…。

お布団の上で倒れてた。。。
体は温かいけど全身の力は抜けきっていてクタクタの状態。息もしていない。舌を出し舌の色は白くなっていました。
もうパニックでした。
慌てて携帯をスピーカーにし旦那に電話を鳴らしながらナンの躊躇いもなく人工呼吸。蘇生措置をとった。
『まだ温かい。死なないで!お願い!ママはここよ』と叫びながら必死で心臓マッサージ。

この間、全く旦那とは電話が繋がらず。。。
繋がったのは小鉄に気付いてから5分ほど経ってから。
小鉄のことを知らせると時間を待たずして帰宅!
直ぐ病院に走りました。
何件も何件も…電話もしました。
閉まっている病院ばかりで…開いている病院や電話が繋がった病院からの回答は同じで…
『死んでから時間が立ちすぎている』 『ナンの処置も出来ない。死亡診断書しか書けない』でした。

走り回ること1時間半…『一回、家に帰ろ』と旦那の一言に頷き帰宅。

『まだ温かいょ。まだ起きるって。』
旦那は黙って小鉄と私を抱きしめました。
一時間…二時間…と時間だけが過ぎ温かかった小鉄の体に死後硬直が始まりました。

『嫌や!』と叫び必死で体をさすって温めようとしてると旦那が首を横に振りながら私の手を止めました。
ずっと何も言わなかった旦那が…
『目…つぶらせて寝かせたろな』って。。。
ズット目を開けて私を見てくれてたのに…。
冷たくなっていく小鉄をズット抱きしめながら、小鉄と離れられずショックで食事も出来ず…
お風呂に入る気力もありませんでした。
『風呂は入らな小鉄にママ臭いって言われるで』と言われ旦那がお風呂に入れてくれたほど無気力でした。
全てを失った感でいっぱいでした。
私が目を離した間に何があったか誰も知りません。
小鉄しか知らないんです。

私の中にはもう後悔しか残りませんでした。
あの時間にご飯の準備なんてしなければ!
浮かれてなければ!
ゲージに入れていれば!
一秒たりとも目を離さなければ!
〇〇しなければ…と全てが後悔です。

『愛してるよ』と言っても足りません。
何度ハグをしてもキスをしても足りません。
謝っても、もう目を覚ましてはくれません。
人生最大の誤ち・過ちと後悔です。

●翌日
小鉄を抱いたまま朝を迎え…家族で過ごしました。
また病院にも走りました。還って来ないと分かっていても。。。
辛くても倒れそうでも家族の食事の準備や掃除、洗濯はしなきゃいけない。
キッチンに立つと悪夢が蘇り涙が止まらない!
そんな私を見るに見かねて旦那チャンが出て行った。

著者のKiriyama Mayaさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。