弁護士を雇って その5

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アメリカの弁護士試験は日本に比べると易しい。

一般の大学で学士を取ってからロースクールに入学。学士号は法律に限らず、ロースクールで初めて法律を学ぶ者も多い。ここで3年間学んで卒業するとJD(Juris Doctor)が付与される。

外国でJD相当の教育を受けた者は1年制のLLM(Master of Laws)に入学。

弁護士試験は各州毎に独自に行われ合格率も州によって異なるが概ね70%前後と、日本の新司法試験の合格率の20%強に比べると随分と優しく思われる。

これはアメリカの資格は公認会計士でも同様だが「エントリーレベル」の水準を担保しているに過ぎないこと。

学校で教えられる事には限りがあり、その後の実務での学習や事務所の運営能力の方が重要と言う合理的な考え方だ。


日本人でも留学生の他、日本の弁護士資格取得者がロースクールに1年通う事により受験が可能。

よってアメリカの弁護士資格を持っている人が少なからずマーケットにいる。

そこで人材紹介会社にサーチを依頼。

何人か候補者が上がってきた。

(アメリカの弁護士資格か、カッコイイなあ)

こちらの方がタイトルに舞い上がってしまった感がある。

但し面接の中で幾つかの問題点も浮かび上がってきた。

コミュニケーション能力である。

英語は堪能なのだが日本語と物の考え方が少し違う。

実際、1名を雇ったが却って混乱が増えてしまい試用期間終了時にお引き取りを願った。

彼の場合、アメリカで10年以上働いていたので、むしろアメリカ人になっていた事に採用時には気が付かなかった。

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