弁護士を雇って その4
契約担当者を雇うのは本当に難しい。
企業法務で活躍している人は大事にされているので中々外に出てこない。
「法務」をやろうという人は保守的で転職に積極的ではない、という面もあるのだろう。
それに加えて外資系では本国の法務部門とのやり取りが必要なので英語力が求められる。
人材紹介会社にサーチを依頼しても中々良い人が出てこない。
前職の米国通信会社では最後の頃にアメリカ人弁護士を雇った。
日本の大学に留学しており奥さんも日本人。
但し、報酬はべらぼう。子供のインターナショナルスクールの学費まで負担。
一応連絡を取ってみて、「誰か知り合いで職にあぶれている人がいたら紹介して。」と依頼したものの。
「一般企業に勤めることは格落ちと思っている人が多いので。。」
また、司法修習所を卒業したものの裁判官、検事に任官されず、また法律事務所への就職に苦戦している若者を経営企画部門要員で使えないかと面接をしたことがある。
若々しい印象は良いのがだ、未だ法曹への未練タラタラ。
明らかにどこかの法律事務所で席を取るまでの「繋ぎ」というか「腰掛け」と言うのがミエミエ。
社会人経験が無いというか、むしろ勉強に専念していたと言う意味では最も社会から隔離されていたとも言え、30歳を超えた年齢の割に一から教えなければならない状態。
同様に法科大学院を卒業したものの司法試験に落ち続け受験資格を喪失した候補者とも何人か会った。
一人は論文式試験で刑法総則だけ残して合格点に達していたが、刑法総則だけダメ。
この手の候補者は「挫折感」をまとっていて、なおかつ「働かなければならないのだが何をしたら良いのか分からなくなっている」場合が多い。
人生相談に乗っている時間は無いのでお引き取りを願った。
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