ファイナンス入門 (9) 統計

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ファイナンスをやる時にどうしても避けて通れないのが「統計」。でも大丈夫。何故、統計が大事なのかさえ理解できれば十分です。後は、

ファイナンスの教科書を開くと突然現れるのが「統計」。

難しい式やら公理やらが並ぶが普段使い慣れないのでチンプンカンプンという人が多いのではないか?

でも「大丈夫」。

こう見えても(見えませんね)大学院時代は統計・確率論が専攻。

その後も財務部で為替や金利のデリバティブの取引方針を決めて実際に市場で売買も行っていました。


それではファイナンスでは何故「統計」が使われるのでしょうか?

それは「未来」のことは誰も分からないから。

逆に言うと「過去」から何らかの「パターン」を見出して、それを元に未来に予想をしようとすること。


例えばある場所での年間平均気温のグラフがあるとしよう。

パターンをつかむ為にする事は、物差しを持ってきて大きな流れを示す直線を引く事では無いだろうか。この線を「テクニカル分析」では「トレンド」と呼ぶ。

気温だと地球温暖化の影響で右上りになっているのではないだろうか。

その上で各年の数値の「トレンド」線をはさんで上下両方に同じ幅だけ離れた平行線2本が引ける。

この「散らばり」具合が分かると、大体、何度から何度の間に収まりそうという感じがつかめるだろう。

これが統計で言うところの「平均」と「分散」のイメージ。


あと統計が急に難しくなるのが「正規分布」なるものが登場してから。

鐘を置いた様な形状なので「ベルカーブ」なんても呼ばれる。

左から0近くから始まって真ん中位で最大値を取って、また右に行くと0に近づく。

この表はある値を取った時にその値が出る確率を表している。

真ん中が「平均」値の出る確率。これが一番高い。

そしてその左右に遠ざかる距離が散らばりである「分散」を大きくして行った時の確率は段々と下がっていく。平均から遠ざかるほど、その数字は出にくくなる。

この様な分布であれば正規分布であると言え、ある数字のでる確率を簡単に求める事ができる。

また正規分布の場合、数式が単純で計算が容易であること、モデルに使う変数の数が少なくて済むことも、多く使用される理由である。

変数とは方程式のa, b, cみたいなもの。

これが決まると例えばx年後の気温yが y=0.1x + 25 の様に表す事ができる。

これを「モデル」と言う。


もっとも全ての事象が正規分布に従うわけでは無く、むしろ当てはまらない方が多い。

そこで次に計算の優しい分布を探して当てはまりを確かめるという事が、繰り返し行われて来た。

加えてパソコンの能力が発展したので多少複雑な計算も苦無くできる様になって来たので、いくつかの分布の当てはまりを確認して(これも統計パッケージソフトがやってくれる)当てはまりの良い分布を見つけてモデルを作成する事ができる様になっているので細かな事は心配しなくとも良い。

キーワードは「当てはまり」。それで分布を選択。

モデルの変数、方程式のa, b, cみたいなものを計算で求めて数式モデルが作成できる。


イメージが大事です。



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