「海外」を初めて見た外国人に東京を案内したら、全てが想像を超えていた話
皆さんは、訪日外国人を見て何を感じますか?
なんか怖い?
声が大きい?
何考えているかわからない?
大量の荷物を持って、自撮り棒で写真を撮っている?
逆に、外国人は日本に来て何を感じますか?
今日は、日本旅行に来た従兄と東京観光をしたとんでもない体験を通して、日本に来た外国人が何を考えているのかの1例をお伝えしたい。
私
・両親は台湾出身だが、日本生まれ日本育ちの26歳。東京在住。
・中国語で日常会話はできる。
・関東の地方自治体職員
従兄(お兄ちゃん)
・生まれて38年、台湾を出たことがない。台北在住。
・中国語しか話せない。
・夜間の専門学校を卒業後、父の経営する工場に勤務
・仕事以外ではほとんど外出しない
お兄ちゃんは、なぜ日本に来たの?
いわゆる「オタク」で、旅行に一切行かなかった従兄を惹きつけた日本の魅力とは?
「日本も漢字を使っている。」
漢字の発音や使い方は違っても、漢字そのものが示す意味はほぼ共通だ。
日本も漢字を使用することは、中国語圏の人にとって大きな魅力である。
「テレビでしか見たことがない桜の花が見たい」
お兄ちゃんは、日本のテレビ番組を普段からよく見ている。
一緒に見ると、半年前の古い番組だったりするが、台湾のテレビよりも面白いそうだ。
「ラーメンや蕎麦等の日本食は、日本で食べたら台湾で食べるよりもおいしいか興味がある。」
日本語が書いてあったり、日本式とPRしていたりする商品や看板は、付加価値が付くそうだ。
実際には間違った日本語表記や、明らかに日本と関係ないものも多いが。
「親戚がいるから」
知り合いがいる場所には、行ってみたくなるものだ。
日本人の1人1人が、海外の人を引き付ける「魅力」になり得るだろう。
旅行のスケジュール
何度か、旅慣れた外国の友達に東京を案内したことがあるが、彼らは基本的に事前の計画が無く、臨機応変な旅を楽しんでいた。
しかし、初めて海外に出るお兄ちゃんは違った。
東京に来る2か月前、
折角日本に行くのに、効率よく回らなきゃ、時間も勿体ないよ!
≪行程表≫は、電車の乗換等も調べ上げた詳細なもので、私をさらに驚かせた。オンライン上で助言や意見を聞いて改良を重ねたらしい。
日本が好きで何度も観光に来ている台湾の人が多く、日本の観光や買い物についてオンライン上で活発な意見交換が行われているそうだ。
旅行記(2016.3.25~3.29)
1日目(旅行者:お兄ちゃん)
17:00成田空港到着
↓
空港のカウンターで
「スカイライナー乗車券*」
「地下鉄3日間乗り放題乗車券」
を買う
↓
池袋の一蘭でラーメンを食べる
*スカイライナー(空港と都心を結ぶ特急列車の名前)
(言葉が通じない為)乗車券の写真を空港のカウンターの人に見せ、購入する予定が、カウンターに人がいない。
Q「お兄ちゃん、どうする?」
A「インターネットで相談した。」
1時間の格闘の末、お兄ちゃんは電車のチケットを買うことができた。
東京で困ったとき、台湾の人から迅速にアドバイスを得られるとは驚きだ。
お兄ちゃんと私は池袋で合流し、お兄ちゃん念願の一蘭のラーメンを食べた。
ラーメンは超人気店ならではの美味しさだった。
お兄ちゃんはさぞかし感動しただろうと思いきや、その感想は意外なものだった。
「空港で緊張しすぎてお腹を壊してしまった。ラーメンも、期待が大きかった分、意外と普通だった。」
2日目(旅行者:お兄ちゃん、私)
築地市場で玉子焼きを食べる
↓
東京タワーに登る
↓
月島でもんじゃ焼きを食べる
↓
浅草、隅田川沿いの桜を見る
↓
都庁展望台に登る
↓
蕎麦を食べる
朝食は食べずに魚市場で有名な築地市場に向かった。週末の朝は地元の人や観光客でごった返していた。
冷たい風に乗って新鮮な魚の匂いがした。
あの有名な築地の雰囲気を味わって、卵焼きとか食べられればいい。
生食を苦手とする外国人は少なくない。
私たちはその日、まぐろカツ、玉子焼き、わらびもち、シュウマイを食べた。
普段は「寿司!刺身!」を探しながら築地市場を歩いているが、「刺身以外のものを食べる。」という別の視点で歩くと、刺身以外にも美味しいものが沢山並んでいた。
ここでも、お兄ちゃんの感想は私の予想を超えたものだった。
「このごちゃごちゃした感じが台湾にそっくりで、おもしろくない。早く次行こーーー」
今年はソメイヨシノの開花が遅れ、東京タワーの周囲でも桜はあまり咲いていなかった。
お兄ちゃんは桜の木があると枝の写真を撮影し、移動の間はタブレットをいじっていた。
前を見ないから、歩く速度がとても遅い。私は正直、あまりいい気はしなかった。
東京の桜について情報交換するLINEのグループに、リアルタイムで投稿しているそうだ。
メンバー約40人は全員が台湾在住で、面識はないそうだ。会話はとても盛り上がっていた。
どうやら、日本の桜は世界の人を惹きつけ、結びつける力があるようだ。
結局東京観光の間、お兄ちゃんは桜についてLIVE中継をしながら道を歩いた。
私は桜の木があるかを探しながら道を歩いた。
こんな歩き方最初はおもしろくなかった。
著者のIto Yasunaさんに人生相談を申込む
- 1
- 2
著者のIto Yasunaさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます