僕が出会ったITリテラシーが高いエストニア国民/子供から大人までITを使いこなすサイバー国家

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人口130万人の小国エストニアは世界でも類を見ないIT立国として近年世界的に有名になってきている。元大相撲でエストニア出身の 把瑠都関の趣味の欄に「コンピューター」と書いてあるほどのIT好きな国 エストニア ここではITの専門家では無い僕が、エストニア滞在中に、IT立国としてのエストニアについて感じたことを書いていきたい。

言わずと知れたSkype発祥の地。

まず世界的に有名なのがSkypeだ。今やLINEやFacebookメッセンジャーアプリなどで通話やビデオ通話が出来るのは当たり前だが、一番最初に世界に電話回線ではなくインターネット回線経由の通話を普及させたのはSkypeだった。Skypeはエストニアの隣国であるスウェーデンとデンマークの起業家が開発を始めた。様々な国で開発しようとしたものの上手く行かず、紆余曲折の末にここエストニアで開発を行い完成した。世界中で爆発的に普及したSkypeの開発の成功こそがエストニアがIT立国としての狼煙を上げていくきっかけになったのは言うまでもない。

タリン工科大学(TUT)(tallinn university of technology の略 泣いている顔文字ではない)でロボット工学を学ぶ僕の友人によれば、今でも大学内の開発ラボにて開発が続けられているらしい。エストニアを代表する技術は、エストニアを代表する工科大学の構内で今も開発され続けているのだ。


GoogleマップでもSkypeの開発拠点がタリン工科大学の敷地内にあることを確認できる(星マーク)


高齢者でも Google アプリを使いこなす。

エストニア人のITリテラシーの高さには性別も年齢も関係がない。僕が語学学校で知り合ったエストニア人のお婆さんはGoogle マップや Google 翻訳のスマホアプリを普段から使いこなしていると語っていたので驚いた。語学学校でそのお婆さんと「言葉の通じない相手とのコミュニケーション」という議題で話し合っていると、彼女の方から Google翻訳アプリの話題を振ってきた。日本では高齢者と話していて、彼ら彼女らから先にITに関する話題を振ってくるという経験は珍しいと思う。僕も日本で高齢者の方と会話する時は「彼らが最新のITサービスに関しての情報を知らない」ことを前提に話をする。高齢者にかぎらずそれより下の世代や同世代でも、ITのサービスを普段使い慣れていない人と話す時は同じだ。知らないことを前提に話をする。

ところがそんな気づかいは、ここエストニアでは必要が無かったのだった。


友達どうしの食事やレジャーの予定にもITサービスを使う。

あるときエストニア人の友人と日本食レストランに行こうということになった。世界の例に漏れず、ここエストニアのタリンでも "Sushi" を始めとした日本料理店がある。カウチサーフィンで知り合って一緒に旅をして意気投合した僕たちは「せっかく日本の友達が出来たのだから」とみんなでタリン市内の日本人経営の日本料理店に行く約束をした。

そしてGmailのアドレスを教えると、メールが送られてきた。以下がそのメールのスクリーンショットだ。



僕はこれを見てとても驚いた。これは参加者の出欠確認をする機能なのだけど、Facebookではたまに見たことがあったが、Gmailにも同様の機能があるなんてことを僕は知らなかった。日本では使われていることを見たことが無かったからだ。でもそんな機能をビジネスでもなく、友達同士の気兼ねない付き合いの中で当然のことのように使うエストニア人。ITリテラシーの高さは僕の想像以上だと感じた。

(※僕が日本に居た時にこの機能を知らなかっただけの情弱だったという可能性もありますが、ラーメン屋に行く時に使うのはやっぱりエストニア人のITリテラシーの高さを伺わせるエピソードだと思います。)


エストニア政府のCIO(最高情報技術責任者)のe-residency に込めた思いがSFすぎる

IT立国エストニアの重要で独特なIT政策の一つとして「e-residency (電子住民)」というものがある。この e-residency を取得すると、外国人がエストニア国内に居なくても起業に関することや、エストニア政府との様々な手続きをインターネット経由で行うことができる。実は僕もこのカードを保持していて、国民ではないがエストニアの(電子上の)住民であることを名乗ることが出来る。起業をするわけでも無いが、エストニアまで行ったので記念に取得してみた。

「電子住民」など独特なITサービスの多いエストニア。それら先進的なサービスは何やらSF的な未来社会の到来を感じさせる。

そもそもなぜエストニアはこんな制度を始めたのか、それは外部サイトのこの記事に詳しい。要約すれば色々と理由はあるが、一番僕の興味を引いたのは「仮に他国が攻めてきて占領されてもエストニアの国家としてのアイデンティティはサーバー上に残り続ける」というものだ。有史以来たくさんの国に占領されてきたエストニアらしい涙を飲まずにはいられないエピソードだ。エストニアはデンマーク・ドイツ・スウェーデン・帝政ロシア・ソ連とのべ5ヶ国から数百年に渡って占領され続けてきた。ようやく悲願の独立を果たしたのに、もう隣国による支配は絶対に御免だ。

それでも未来のことはわからない。プーチン率いるロシアが未だにこうやって(リンク先参照)圧力をかけ続けてくる。万が一のことが起こった時、今度は全てを奪い取られたくはない。でもあらゆることをなるべく電子化していれば、万が一、領土が物理的に占領されても、エストニア人としての誇りはサーバーに電子情報として残り続けるということなのだ。


ITでも見受けられるエストニア人の可愛いらしさ

最後に僕が遭遇したエストニア人特有のITにまつわる可愛いエピソードをご紹介しよう。

(エストニア人のかわいい性格については、過去記事:エストニア人に会ってわかった、エストニア人の「可愛い」性格/僕は「ムーミン遺伝子」を発見した。もお読み下さい。)

エストニア人は自他共に認める「引っ込み思案」であり、自らのことを「猫」と例える人も居る。これは彼らとFacebookメッセンジャーを使ってメッセージを送りあっている時に僕が何度か体験した出来事だ。

例として以下のスクリーンショットを見て欲しい。



一番下の僕のコメント"I wish" の右下についているのは話し相手の「既読」マークだ。ご存じの方もいるかもしれないが、実はこの「既読マーク」は読んだ側が「取り消す」ことが出来る仕様になっている。どういうことかと言うと、例えばあなたが誰かのメッセージを読んだが、すぐに返信をしたくない場合、facebook上で相手のメッセージに既読マークが付くことを阻止することができるのだ。この操作はWebブラウザーのfacebook上から行うことが出来る。僕がやりとりをしたエストニア人のうち何人かはこの「既読取り消し」機能を頻繁に使っていた。なぜ彼らが既読取り消し機能を使ったのが僕がわかったかと言うと、画面一番右下に表示されている相手のエストニア人の既読マークが僕が見ている時に「ヒュッ」と真上に移動したのだ。最初は見間違いかと思ったが、何度も目撃したので見間違いではないようだ。僕がやりとりしたエストニア人のうち何人かの既読アイコンは僕が画面を見ている時に「ヒュッ」と真上に移動した。何らかの理由で既読したと思われたくない事情があったのだろう。そのアイコンの動きはまるで「ヒュッ」と隠れる「猫」のようであった。僕のメッセージを読んだにも関わらずヒュッと「猫のように」隠れて「読んでませんよ」アピールをする彼ら。これを可愛いと言わずしてなんというのだろうか。

不思議の国エストニアはITの活用方法においても不思議な可愛さを発揮する国民性を持った国であった。


記念すべき僕の「e-residency カード」これが欲しくてエストニアに行ったと言っても過言ではない。(各国エストニア大使館でも取れます)この写真は個人番号モロ出しだけど、エストニアの大臣が「個人の識別番号は隠さないで使うもの」と答えていたので問題なし!


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