【第8話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

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汚部屋de捜索

結論からいうと、鍵はかかってなかった。不用心!

でも、その時の私達としてはラッキーだった。


姉と一緒に恐る恐る中に入る。

以前も書いたが、父は「片付けられない、捨てられない」人だ。

ウン十年前の炊飯器とか、もう黄ばんでしまっているTシャツとか

絶対使わないのに捨てない。

あんまり言うと、それはそれでキレるし、一緒に住んでいるわけではないので

もうそこは諦めていたのだ。


まさか、そのツケがここで来るとは!


とにかく、すぐに必要になりそうな

家の鍵、保険証、通帳とカードと印鑑、年金手帳、診察券

あたりと

部屋に落ちている書類(落ちてるってことは最近来たものと推測)

をかきあつめ、早々に家を出た。


冬だろうと、どこかから何か(虫とかネズミとか)が出てきそうで

本当に怖かったのだ。


これを読んでる方には、断捨離とはいかなくても

部屋はある程度片付けておくことをおすすめします。

「どこにあるか分からない」ために何かを諦めたり、

余計なお金がかかることがあります、それもかなりの頻度で…。



年金受給額が判明

外に避難(?)をした私達が次にしたことは

父の貯金と年金額の確認だ。


父はこの時既に79歳だったので、年金が支給されていた。

その金額によって、退院後の施設入居の選択肢が変わる。


ただ、これも一筋縄ではいかなかった。


「捨てられない」父は、通帳も捨てられなかった…

色々な銀行の通帳が、あわせて50冊以上あった。

(ちなみに印鑑も10個以上あった。)


姉と二人、物陰に隠れた路地で通帳を選別していく。

傍から見たら、怪しすぎる…。


なんとかかんとか探し出し

ようやく父の年金額が分かった。


237,000円。


年金は2ヶ月分が一回で振り込まれるので

単純に2で割って、1ヶ月12万円弱

これが、施設を選択する時の基準になる。


貯金があれば、もちろんそこにプラスとなるが

悲しいかな、通帳を見ても貯金されている様子はない

そして、タンス預金をしていたとしても、どこにあるのか全く分からない…。


大事なことだからもう一度言っておこう。

部屋はある程度片付けておくことをおすすめします。


入院費もかかることだし

今残っている父の年金を引き出そうか、そんな話をしていた時

姉が重大なことに気づいた。


ハル、暗証番号知ってるの?


いや、知らないよ!

知っているわけがないじゃないか!


一難去ってまた一難。

勝手に引き出すのもアレだし、まずは父に話して暗証番号を教えてもらおう。


二人で父の入院先へ向かうのだった。

まあ、お約束のように、簡単にはいかなかったんですけどね。


つづく


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