top of page

17/3/7

新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(16)

Image by Olia Gozha

これまでの営業を振り返って



社長に謝罪した帰り道、僕はこれまでの半年を振り返った。
すると、自分の営業活動は、営業成績のことばかり考えていることに気付いた。

僕は、自分の成績のためだけに仕事をしていたのだ。

僕はこれだけ税理士のために尽くしているのに、なんで報われないんだろうとも考えてしまっていた。


僕の営業成績なんて、税理士の先生たちにとってはどうでもいいんだ。


全く関係ない。


そんな当たり前のことに気づけなかったのだ。




僕はこの出来事があって以来、紹介の大事さを常に意識している。
営業マンにとって、紹介をもらうことが最も重要な仕事だと考えてさえいる。


支店に戻ったら、朝会に出ていなかったこともあってこっぴどく怒られた。
いつもなら落ち込んでいただろうが、この日は本当に清々しかった。

K先生のところへは、菓子折りを持って謝りに行った。
怒って相手にしてもらえないとも思ったが、すぐに許してもらえた。
さすが大人だ。

僕はまた帰り道に、今後の営業戦略について考えた。
先生方にとって、僕の営業成績はどうでもいい。
だったら、僕も営業成績には拘らないでおこう。
とにかく、税理士の先生たちのためだけに働こう。

そんなことを考えた。

今思えば、会社に利益を与えようとしないダメリーマンの思考だったと思う。
けど、何千人もいるような大きな会社にいて、会社のために自分が利益を追求しなくてはいけない、なんて思考には全く至らなかった。
上司に怒られるのさえ我慢すれば、別に会社に儲けを与えてるかどうかなんて、その時の僕からしたらどうでもよかったのだ。


税理士のためだけに仕事をしてみよう。


その日から、いろんなことをした。

証券税制のセミナーは何度も繰り返しいろんな場所で開いた。
税理士先生の持っている株や投信の情報は、他の証券会社の口座で運用しているもでも状況を詳しく伝えた。
どうしても先生が忙しい時は、先生の子供の子守もした。
税理士先生の顧問先の接待にもついて回った。


もちろんこんなことを続けていても、一切営業成績は伸びなかった。
毎日課長からはこっぴどく怒られた。
でも、毎晩税理士先生や顧問先の方たちから飲みに誘われるようになった。
自分の仕事について、自分からは飲みの場では話さなかったが、証券会社の人間であることはみなわかって付き合ってくれた。
そして、よく夜の店にも連れていかれた。
どうやら、証券会社の営業マンを連れているだけで、キャバクラの姉ちゃんたちからモテるようだ。笑

そうやって、確実に僕は縁もゆかりもない群馬県で、色んな会社の社長と仲良くなることが、少しずつできるようになっていった。

続く

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page