フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第9話

1 / 9 ページ

前編: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第8話
後編: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第10話

闇に染まる

《これまでのあらすじ》初めて読む方へ

ごく普通の大学生、篠田桃子はあることがきっかけでショーパブでアルバイトすることになる。最初は乗り気ではなかったが、ショーと幼い頃憧れたバレエの舞台とが重なって見えた桃子。少しづつ指名も取れ、いよいよショーに出演する日が来た。でも心のどこかでそれを躊躇し不安になる自分もいたのだった。




あの日のことは 今でも鮮明に思い出せる

それは夢のように美化され、霞みがかった記憶だ

当時は決していい想い出などになるとは思わなかった

むしろ早く忘れてしまいたかったのに…




ショーのデビュー戦(あえてこう呼びたい)は散々だった。


途中、振り付けを忘れ棒立ちになるわ


退場する時誰かの足に引っかかってつまづくわ


1人だけ幼稚園のお遊戯状態だった。



舞台袖で佐々木が


「みっともねえなあ。」と大笑いしていた。


女の子たちは皆、そら見たことかとヒソヒソ笑っていた。


トイレに籠りたい気持ちの私に歩み寄ってきた玲子さんが


「大丈夫。初々しさと可愛らしさはあなたが1番だった。」


と優しく微笑んでくれたのが唯一の救いだった。




借りた8万円はすでに給料から引かれていた。


この足で逃げ出すことはできた。




でも私はそうしなかった。

みんなの読んで良かった!