世界47か国女子バックパッカーができるまで(2)

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環境でひとは変わる


関西の大学に入学してからというもの、突然与えられた自由というものに私は興奮して我を失った。

両親のもとに生活していたときに感じていた息苦しさはなくなり、遊びやバイトに熱中する日々。

高校を卒業したころの、自分の決意なんかも半年はさっぱりと頭の中から消え失せていた。

バイト、飲み会、授業、恋・・いくらでもあちこちに自分を忘れる要素は転がっていた。


でもある日、半年付き合って別れることになった彼氏との思い出の指輪をバイト帰りに近所の公園にひとり捨てに行った。私は若いなりに悩み、へこみ、そして精神的に参っていた。

深夜の帰り道。自転車で家路に向かい走っていると赤い提灯が私を誘った。なぜか、一人でいたくなくて人の温かみを求めるような気持で小さな居酒屋ののれんをくぐった。

居酒屋のママ
いらっしゃい
ケイシー
こんばんは・・

 6席しかない小さなカウンターの居酒屋には、カウンターの中にかわいらしい雰囲気のママと、奥には知らない男性が座っていた。


ケイシー
あの、ラーメンください


ママは愛想よくラーメンを作ってくれ、私は深夜に人のぬくもりを感じるラーメンをいただけることに感謝した。ママはしばらくラーメンを頬ばる20歳そこそこの娘を、自分の娘のように温かい視線で見ながらこう話しかけた。

居酒屋のママ
こんな時間に、どうしたの??
ケイシー
いえ、実は失恋してしまって・・


初対面とも思えない気さくな雰囲気に、私は気が和みいきさつを話した。

ママと仲良くなったころ、近所のおじさんたちがぽつりぽつりと店にやってきた。

おじさまA
こんな若い女の子がこの居酒屋に来るなんて珍しいなあ~

おじさま達は、気前よくお酒をご馳走してくれそのうちくどくどと話し始めた。

おじさまB
人生ってのは一度きりなんだから、後悔するようなことしちゃあかんよ~

酔っぱらっての何気ないおじさまの一言が、私の心に深く響いた。

突然、私は自分の決意を思い出した。

『なんでも経験してみよう』

どうして今まで忘れていたのだろう。恋に遊びにすっかり気をとられて、自分のやりたい事を探すことはどこかおざなりになっていた。

そう考えると、彼と別れたことも何か必然だったような気もしてきた。


いま原点にもどって、自分のやりたい事を探そう、そう思った夜だった。


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