屋久島へ自分探しに旅立った男の話~第二話 屋久島上陸~

前話: 屋久島へ自分探しに旅立った男の話~第一話 屋久島への旅路の前に~

奇跡の始まり


10月某日。

ついに屋久島出発の日が訪れた。


朝早く、岩間は目が覚めた。

台風の状況を確認すべく、テレビをつける。


案の定、台風は東京目指して、進行している。

現在、四国付近。


このままの進行では、飛行機の出発時刻には、ちょうど名古屋付近に到達する。


「これで飛行機は、本当に飛ぶのか?」

更なる不安が岩間に襲いかかった。


と心配してもしょうがないので、忘れ物がないかをチェックして、荷物を背負い、家を出発した。

雨は降っていなかったが、風が強く吹いており、台風らしい気候になっていた。


平日の朝と台風のダブルパンチで、電車はいつも以上に通勤途中のサラリーマンで、満員電車。

その中を大きい荷物を背負っていたため、余計きつかった。

ようやく羽田空港に到着。

それと同時に外は、強烈な風が吹き荒れ、猛烈な雨が降り始めていた。


「着いたはいいけど、運行状況はどうなんだろう?」


電光掲示板を見上げた。

そこには、欠航の文字が並んでいた。


「やっぱりだめか」

一人、落ち込みたたずんでいた。


「・・・ん?」

あることに気づいて、もう一度電光掲示板を見た。


「もしかしたら、奇跡はあるのかもしれない・・・」

なんと欠航は東北行きのみで、なぜか西方面はまだ欠航と決まったわけではなかった。


「台風来ているのになんでまだ欠航じゃないんだ?」

期待と疑いの間を行ったり来たりしながら、出発時刻まで待った。


時刻になり出航ゲートへ行くと、

”大幅な遅れは発生しているが、飛ぶことはできます"

とアナウンスがなった。


なんと、台風は名古屋付近にいるが、飛行機の高度が台風の高度を超えているため、台風を飛び越えていけるとのことだった。


「そんなことあるのか?!」

と驚きながら、安堵の表情を浮かべた。


そのまま、飛行機に搭乗。

3時間後、無事、羽田空港を出発した。


屋久島上陸

それから台風の影響もさほどなく、鹿児島空港に到着。

鹿児島は、台風一過のおかげで、雲一つない晴天。


空港からバスで屋久島行きフェリー乗り場へ。

そして、フェリーに揺られ、綺麗な海を見ながら、

念願の屋久島に上陸した。


屋久島は、雨が多いと聞いていたが、

これまた台風一過のおかげで、雲一つない晴天。


「台風が来て、逆によかったかも」


"ピンチはチャンス"

この言葉の意味が分かった気がする。


そして、宿の送迎バスに乗り、沈みゆく夕日を眺めながら、

宿へ向かった。

宿について、地元の料理を食べ、次の日は、縄文杉ツアーで朝4時出発のため、早々に眠りにつくことにした。

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