占いを実行して、占いの意味を知る 【変化】

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いえいえ、まだカリュキュラムも講師の教育もできていませんし、と言ってもまるで聞いてくれない。適当な人に声をかけて、スタッフばかりが増えていく。遅々として首を縦に振らない私を置いて、オーナーはどこからか生徒希望者を連れてきてしまい、授業料を受け取ってしまっていた。

危ない。なんだか詐欺の片棒を担がされている気がする。

ピラティスを担当している講師の子と話をする機会があった。

なかなかミキちゃんと話ができないからさ、どうなっているのかと思って。

ピラティスの方のレッスン取らないでって、タイ古式の授業でスタジオ使うからってオーナーに言われてるんだけど、知ってる?

ここ、スクールになるの?

ピラティスはどうするか、聞いてる?

寝耳に水だった。

まだカリキュラムも出来上がっていないのに。どうやって授業を?誰が講師で?

オーナー自ら講師を務め、口頭のみで授業を始めたらしい。私が休みの日に実行されていた。不信に思っていた私がHPのドメインがまだ取れないんです、などと言い訳してスクールの開設を伸ばしていたからだ。オーナーは強行突破に出たが、タイ古式ができるオーナーの友人達と3人がかりで1人の生徒にあれやこれやと指導し、生徒さんは筋肉を傷め、やっぱりこのスクール辞めたいから授業料の返金をしてほしい、とトラブルになって行った。私に隠れて実行してしまったので、オーナーも私には相談できない。その間に私はピラティスの講師の子と仲良くなって、このお店の内情を把握し始めていた。

講師の子は、オーナーの、とにかく儲かればいい、という主義に嫌気がさし、でもチケットを買って通ってくれているピラティスの生徒さんだけは守ろうと、懸命にレッスンをこなしていた。そして意図的に私と講師の子が接触しないようにされていたのだ。ピラティスの回数券は10枚綴りで3万円以上する。それが売れた後はレッスンに来てほしくないと思っているオーナーに、講師の子は怒りを感じていた。オーナーにとって都合の悪い話を私の耳に入れないようにしていたのだ。

思い通りにならない運営にオーナーは切れ、私と講師の子が共謀してレジのお金を盗もうとしている、と税理士に相談していた。私と講師の子は言われるがまま年内で退職、その間は自宅待機、もう店には出てくるな、という無実の罪を着せられることになった。

それでも私も講師の子も、ここを辞められるのならば、と黙って受け入れた。

70日の期限まであと10日に迫ったときだった。自宅に12時間以上居なくてはいけない私としては好都合だった。

スクールの生徒さんに返金されたことは確認できたが、オーナーは、あの子にもいい社会勉強になったでしょう、簡単に契約書にサインを書くからよ、返金してもらえただけ有り難いと思いなさいよ、などと訳の分からないことを言っていた。

なんだろうか。辞められて良かったけれども。

引っ越しをして、また無職になってしまった。

それでも鎌倉店を辞めたときと違って、なんの迷いもなかった。

もうタイ古式のお店で働くのは辞めよう、整体師に戻ろう、と決心していた。

タイ古式マッサージを受けに来る人は、趣向の部分が多いと感じたからだ。

痛い、苦しい、よりも、癒しを求めに来ている人が多い。

私は癒しを提供して利益を得るよりも、痛い、苦しいという人に接して、自分の知恵や経験を生かして改善していく姿を見ていたいな、と思った。それが性に合っているな、と。

占いを信じて動いたのに、悪いことが起きた、と捉えることもできたかもしれない。

でも私はここをクビになることに、何の不満もなかった。

詳細に見てみてば、この伊勢佐木モール店の話が来たのは引っ越しをする前の話で、まだ私の判断力が低下している状態、のときだった。

引っ越し後70日の間に、このオーナーと今後も付き合っていくかを判断できるようになった、とも捉えられる。オーナーは最初からずっと、なにをやっても儲かればいい、というスタンスだった。それに私は当初気が付かず、言われるままに動いていた。時間が経って私の想いと違うな、と思うようになったのだ。ただお金さえ入ればいい、というのは嫌だな、と思った。ここで働いていく、ということは、自分自身も、お給料さえもらえればなんでもいい、と言っているようなものだ。お給料を貰いながらオーナーの指示には従えません、というのもオーナーも詐欺にあっているようなものだ。

お互いにとって、良くない。

決別するべきだ、と思った。

でもこういう考え方は、占いにはまる、という事なのかな、宗教みたいかな、と不安にもなった。まだわからない。何が原因で何が結果なのか。

余談だが、私が辞めた翌年、鎌倉店と伊勢佐木モール店は閉店している。

本当に辞めてきて正解だった。

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