フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第18話

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《ここまでのあらすじ》初めて読む方へ

大学生の篠田桃子はあることがきっかけでショーパブ「パテオ」でアルバイトをしている。葛藤や苦難を乗り越え徐々に野心に目覚め自分の居場所を見つけ出そうとする桃子。そこへ突然、大学の助教授、苗代がパテオへ顔を出す。表向きは学生想いの優しい先生である彼は、桃子に脅迫じみた言葉を言いパテオに通うようになるのだった。




春になり、私は無事に3年生へと進級した。


同じ学科の生徒は三分割され、それぞれの担当教授のもとでゼミが展開される。




後で分かったことだが、私が売春しているという噂を広めたのは、やはり由美だった。


根も葉もない噂…というわけではないが


何でそこまで言われなきゃならないのだろう。



確かに彼女は成城のお嬢様で私とは、育った境遇が違う。当然価値観も…


元彼の拓也と同様に、キャバクラで働くような女を心底、軽蔑するのも分かる。




でも入学当初、1番最初に私に話しかけてくれたのは彼女だった。


仲良くなり、週の半分はカラオケやショッピングなどしていつも一緒だった。


色んなわだかまりはあったけど、ここまで嫌悪されるだなんて…


人間関係とは一寸先まで分からないものだ。


恐ろしいものだと思った。



幸運なことに由美は仲間たちと共に他のゼミを取ったので


これからは、そんなにしょっちゅう顔を合わせなくて済む。





私はエレベーターを出て廊下を進むと賑やかな声のする教室にドアを開いた。


苗代を囲んで10人ほどの学生たちが談笑していた。


私の姿を捉えた苗代は、屈託のない笑顔で言った。


「お、篠田も来たね。よしじゃあ、始めよう」



胡散臭い顔


私は無表情のまま席に着いた。


何がおかしいのか、苗代の話に耳を傾ける学生たちは皆


些細なことに驚いたり、笑ったりしている。


ついこの前まで私なら彼らの一員でいられたかもしれない。


苗代を挟んで眺める彼らは、もはや私にとって別次元の生き物に見えた。



「えーっやだ!先生、嘘でしょう!?」



高野聖子というクラスメートが苗代の言葉に


ワザとらしく口を覆い、目をパチパチさせて驚いていた。



苗代の裏の顔を知ったらそんなに驚き方じゃ済まないだろう


連日、教え子の勤めるショーパブでたかってるって。



昨夜だってそう。

ショーの終わる時刻に来て、次のショーが始まるまで


ガンガン飲んでた。


指名の私以外にヘルプについた女の子たちにヘラヘラいい顔して。


飲み代はもちろん私持ち。


2時間ほどで帰っていくが

タダ飲みできるからって平気で新しいボトルを開けるのだ。

おかげで昨夜は2万円を超えた。


指名客が昨夜だけで5人もあったので私は度々彼の席を外した。


赤ら顔の苗代はヘルプの女の子の肩を抱いて

「行っといで、売れっ子さん」

いけしゃあしゃあと言った。


それでいて、帰りの支払いになると

「助教授なんてなあ〜、聞こえはいいが実際は

じいさんたちの助手みたいな扱いなんだぞ。給料だって

寂しいもんさ。分かるだろ、篠田」

などと毎度下手な演技を繰り広げる。

私はウンザリした気持ちでボーイを呼んで耳打ちするのだ。



ハッとして前を見た。

苗代が私を見てニヤニヤしている。


私はすぐさま視線を逸らした。

本当にたまんない…



大学の正門を出たところで


「篠田さん」


という声が聞こえたので足を止め振り返った。

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