フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第23話

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前編: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第22話
後編: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第24話

愛と迷い

《ここまでのあらすじ》初めて読む方へ

普通の大学生だった桃子は、あることがきっかけでショーパブ「パテオ」でアルバイトをしている。野心に目覚めた桃子は少しずつ頭角を表し店の売れっ子へと上りつめていく。そんな最中、脅迫され襲われかける桃子は店のチーフマネージャーの佐々木によって助けられる。その夜を境に粗野で皮肉屋な男だと思っていた佐々木に対して惹かれていく自分に戸惑う桃子であった。



ハンドルを切りながら佐々木がふいに聞いてきた。


「杏て、いくつだっけ?」


「え…ハタチですけど」


「わっけえなあ〜〜」


佐々木がしみじみと呟く姿が可笑しかった。


「なに、その反応。オジサンみたい」


「なんだとお前」


「アキさんは…」


言いかけて少し間を置いた。


アキサン…言葉にするのはこれが初めてだった。

少し顔を赤らめたのだが、深夜の薄暗い車内でよかった。


「ん、何だ?」


「いくつなんですか?」


「俺?28。ハタチから見りゃ立派なオッサンだろ」


「あ、そうなんですか。もっと上かと思った」


「なんだそりゃ、そんなにオヤジ臭いか俺?」


「いや、だって、ヒゲあるし」


「あのな、髭なんちゅうもんは、高校生だって生えるわ!」



佐々木は顎のヒゲを触りながら笑った。


みんなの読んで良かった!