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16/11/21

第10話 私のひとしずく「はちどり食堂」【ドラゴンロード〜千葉から祈りの島五島列島へ 神に導かれた奇跡の旅〜】

Image by Olia Gozha

私にできること


「ここではちどり食堂がやりたい!」


「この風をたくさんの人に感じてほしい」




そう思い、ふと友人に話したら


「いいと思う!!」




そして、どんどん話が進んでいく。



やることが決まっているということはこんな風に進んでいくんですね。

今振り返ると本当にすごい流れでした。


貯金は底をつき

お金はないし

準備とか計画とかも全くないけど

ただ、「今だ!」というエネルギーはすごかった。


お金のことで弟に相談した時


「今じゃなくても、ちゃんとお金貯めて準備してからでもいいじゃん」


そう言われた時


「今じゃないとダメなんだ!」


そう思った。


きっと、それが正しいと思う。


でも、お金があることより

この情熱が熱いうちでなければ絶対うまくいかないと思った。



そして、私はこの情熱を信じ

見切り発車をした。



たくさんの壁がやってくるのだけど

なぜか奇跡的な解決でうまくクリアされていく。



2010年9月28日のオープンを目指してとにかく動いた。



「はちどり食堂をやろう!」


そう思ってからオープンの9月28日までの準備期間は確か2ヶ月もなかったかもしれない。



オープン前日までハラハラドキドキな展開でした。




でも、「この日にオープン!」と決めた9月28日には無事オープンできた。



決めれば動く。




本当にたくさんの奇跡の連続でオープンすることができました。




朝から夜遅くまで働いていたけど

お店は順調で、とにかく楽しかったです。



はちどり食堂をオープンする時に決めたことは


「まずは私が楽しむこと」

「私が楽しんでいたら、来てくださるお客様も必ず楽しい」



私のひとしずくは

とにかく私が楽しむことでした。



結婚していた時は

「私ががんばれば、きっとうまくいく」

「私がガマンすれば、なんとかなる」


そう思っていたけど、そんな意識を全部吹き飛ばして



「私さえ幸せになればいいんだ!」


「私が幸せになるから、みんなが幸せになるんだ」


そんな風に意識が変わり、それを証明するかのように、ただただ実験してみました。




そして、オープンして半年が経つ頃

あの大震災があったのです。




2011年3月11日


私はその日、次の日のイベント出店の準備で仕込みに追われていました。


突然大きな揺れがあり、

びっくりして外に飛び出しました。


相棒の愛犬ぶーちゃんを抱えて

外に出て、揺れがおさまるのを待ちました。


千葉は震度5強


はじめてこんな大きな地震を経験しました。



しばらくして揺れがおさまり、近所の方と

「すごかったね」と話していたら



「ヤバイ! 九十九里、津波警報が出てる!!」


と、大騒ぎになり

私はとにかく愛犬のぶーちゃんを連れて車で逃げました。



はちどり食堂があったところは海のすぐ近く



とにかく海から離れた友人の家に避難に行きました。




停電して

電話も通じなくて

何がどうなっているのかわからず

その時買ったばかりのiPadで情報を探すも、東北が震源地でとにかく東北がすごいことになっている


それだけしかわからなかった。



九十九里はどうなっているんだろうか?



とにかく不安な夜を過ごした。



次の日の朝、戻ってみると

お店周辺は津波の被害が結構あり

周囲の家や向かいのコンビニなど床上浸水でぐちゃぐちゃ。



はちどり食堂は不幸中の幸で

お庭などはぐちゃぐちゃだけど、床上浸水はギリギリ免れた。


あと、2cm津波が高かったらうちも床上浸水になっていたと思う。


神様に守られたと思った。



友人たちが手伝いに来てくれて

片付けはなんとか終わった。



東北のような大きな被害ではないけど

でも、余震が続き

これからどうしていいかわからない。



当分、人も寄り付いてこないだろう


いつお店を再開したらいいのか


もし、また大きな地震がきたら、、、



不安でいっぱいで


鬱状態になった。




周囲はどんどん日常がはじまっていく。


お客さんは少なくても、お店も再開されていく。


その時気がついた。





「地球で生きるとはこういうことなんだ」



私の肚が決まった。



「私はここでやっていく」



そう思った次の日

15年一緒にいた大好きな私の相棒の愛犬ぶーちゃんが亡くなった。




つづく


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