看護師として生きる

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食事介助とは。



食事は人間にとって生きるかて。


だから当然、食事が食べれなくなれば


病院行き。



実習中、食事が食べれない患者さんを受け持ちした。



患者さんは90歳くらいだったと思う。


今も考えてしまうが、


『高齢の食べたくない患者さんに、入院してるからといって、無理矢理食事をさせるのはどうなのか。』


無理矢理と言う言葉は相応しくないが



「食べたくないものは食べたくない」



これが全てだと思う。


しかし、入院するとそうはいかない。


必要摂取カロリーを計算し、

とにかくカロリーをクリアしないと

栄養補助食品を足し

それでも食べれない時は

点滴(中心静脈栄養)や胃瘻を考える。


病院にいると


『生かされてしまう』


状況から抜けられない。

これが人間らしい生き方なのか。

患者さんはそれを望んでいるのか。


いつも自分の中で葛藤する。



話しを元に戻そう。

その患者さんは

自分で食事を食べない。


どうにか食べて貰おうと

私は必死に考えた。

『学生だから結果を残さなければ。』

そうとしか思わなかった。



「なぜ食べたくないのか」



ここをもっと考えていれば

また違う考え方が出来ただろう。


しかしそれは、

経験を積んだ今だから言える事だ。



患者さんの食事は『刻み食』だった。

主食は全粥。

副食は全て刻み。



お粥とおかずを交互に口に持って行ったが


数くち食べると

「いらない。」

と言われ口を開けなくなってしまった。


困った。

非常に困った。


学生の私は必死になって

食べてもらうよう

口に持って行ったが


絶対口を開けてくれなかった。


さて、どうするか。

どうしたら食べて貰えるか。



そこで私が思ったのが

「見た目の問題」

と言う所。


じゃちょっと変えれば違うかも。



それで出した答えが


『三色丼』


お粥の上におかずをのせて


どんぶり仕立てにしたもの。


これは意外と患者さんの反応も良く、


数くちから3割ほど食べれるようになった。


この現象が学生の


『結果を残す』


形となる。



でもこんなの、

根本的な改善にはならないだろう。


きっと私が実習終わってから

また食べなくなっただろうな。



どうなってしまったのかはわからない。

とにかく関わった間のみの援助。


だから学生なんて


「ちょっと来てサラッとして終わり。」


なんだよね。







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