僕が精神科に入院するまでのほんとうのこと~入院顛末記~(4

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体が動かなくなった
妄想が頭を支配する
おいらは横になったまま動けなくなった
頭は覚醒しているのだ
しかし体は動かない
妄想が始まった
おいらは動かないで固まるという芸をしている
パントマイムの動かない人だ
そしてそれを何年しているのだろう
おいらの前を何人もの人が通り過ぎる
月日は流れていく
何年も歳月が流れても体は動こうとしない
はこの部屋に忘れ去られた存在なのか
おいらの体は固まったまま
薬の抜けた状態で妄想は始まり
時間の感覚を失い
それでも頭は覚醒していたから
とてつもない時間を過ごしている感覚に
襲われていたのである
いつ終わるとも知れない硬直
頭の中で自在天なる神が現われ
おいらを自由に操作するのである
寒い冬がまじかに迫っていた
暖房はついていない
ブレーカーを落とし
断食を始めていたからだ
朝と夜の一日があれば
何百年にも感じられるのだ
硬直したからだでそれを体感する
とてつもなく長い時間だ
存在は忘れられて
また忘れたころに誰かが発見する
私のからだに入って
脳を治してくれるようにお願いしてみた
こんなに硬直して長い時間を感じたら
悟りがまたやってくるに違いない
長い時間の中で私は
どこか外国の路上にいるような
そんな感覚にもなった
部屋に光が差し込み暖かいと
春の日差しや夏を感じ
夜になり寒くなると
冬の寒さを感じる
そうした時間は
とてつもなく長い時間だった
リピートによる延々とした長い時間と
硬直による延々とした長い時間
私は完全に狂っていた
硬直が解けて動けるようになるまで
延々と歳月を感じていた
そしておいらはロボットになり
おいらというロボットが硬直していると
思うようになった
壊れたロボットを誰が直してくれるだろう
人間はスモールライトを発明して
壊れたロボットのおいらの中に入る
そして動けるように修理する
そうした妄想が働いた


リピートによる長時間の体感と
硬直による長時間の体感の後
体は動くようになり
おいらは深夜に鏡に向かっていた
鏡に写る自分の姿を確認し
しばらく眺めていた
そしてこの鏡の顔に
自分の爺さんや婆さんを探し始めた

助けを求めていたのだろう
おやたしかにいると感じたとき
他のなくなった親戚も探し始めた
やはりいるではないか
鏡の中の自分は青白かった
しばらくして鏡の中の自分が
おかしなことになり始めた
もやぁっとなって
ぜんぜん自分と違う人物になるのだ
違う人物になる
だれやぁと眺めていると
西郷隆盛になっている
西郷さん?と思った瞬間に
次の人物になっている
天狗?
天狗とは奇妙なと思っていると
スサノオが現れる
スサノオさんまで呼んだか
と思って怖くなって
鏡から目をそらすと
鏡の中から青白い光が
天井に向かって飛んでいく
天井の隅に青白い光がある
鏡から出た光だけど部屋の何かだろうかと
光の根源を探すが見つからない
青白い光はじっとしている
しばらくして
鏡から出たのであれば
鏡に返さなくてはと
鏡を光のほうに持っていくが
そのマンションは天井が高くて届かない
おいらは何者かになったのだろうか?
いやおいらはおいらのままだ
爺さんや婆さんや
亡くなった親戚の顔を鏡で見つけ
そしてわけのわからない映像に変わり
光が現れた
この光は何だと眺めていた
以前入院のときに
同室の人が君にオレンジの光が降ったと
真顔で言われたのを笑ってきいていたけど
実際に青白い光が目の前にいる
私は不思議に感じていた
これは幻覚というものか?
この不思議な現象に妄想が働こうとする
青白い光はイエスだと
そしてそいつは鏡からやってきて
どこかにいこうとしている
私は睡眠薬を飲み寝ることにした
完全に狂っている
青白いイエスは鏡から抜け出して
復活したのだと思った

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