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17/1/6

僕が精神科に入院するまでのほんとうのこと~入院顛末記~(3)

Image by Olia Gozha

何者かによって操られることは解けたが
今度は死神がやってきた
何者かに操られるのから
やっと開放されてタバコに火をつけようとする
すると死神がささやいた
そのライターの火で部屋を燃やせ
そのライターの火で部屋を燃やせ
タバコに火をつけようとして手が震えた
どういうことなんだ
冷や汗が流れ始めた
幻聴で母の声がする
順番は大切やで
順番は大切やで
何のことを言っているのかわからなかった
タバコに火をつけてすった
また死神の声がする
タバコを落とせ
タバコを落として火事になれ
死神の声にびっくりして
おいらは一服をゆっくりすえなかった
それでもタバコを欲していたのだろう
またタバコに火をつけようとした
また死神の声がした
そのライターで部屋を燃やせ
そのライターで部屋を燃やせ
おいらはタバコに火をつけることをやめた
母の声がした
順番は大切やで
順番は大切やで
おいらは何が何かわからなくなってきていた
死神の声が激しくなってくる
死ね死ね死ね死ね
なんで生きているんや
お前なんか生きている価値がない
死ね死ね死ね死ね
死神が容赦なく襲ってきた
私はだんだんと死にたくないのに
死なないといけないのかと考え始めた
死にたくない
でも死なないといけないのか
死神の幻聴が容赦なく襲ってくる
死ね死ね死ね
生きる価値なんてない
私はだんだんと洗脳されていくような
そんな感じがしてきた
この声は止まらないのだろうか
他人の死神を取り去ったらそいつが
自分のところにやってきたのである
追い詰められていた
そしてふと立ち上がり
腹もくくっていないのに
ユニットバスに向かい
そしてユニットバスのカーテンに首を結び
風呂のふちから飛び降りて首をくくったのだ
一瞬暗くなり
次の瞬間
カーテンのバーが外れて
私は風呂の床に倒れていた
死ななかったのである
死ぬときでないのである
死神は悔しそうにしている
逃れやがった
逃れやがった
逃れやがった
それでもなお
ライターに火をつけるたびに
ライターで部屋を燃やすように死神は
私に命令してきていた
母の声が順番は大切だと訴えていた
死の衝動なんてものはない
死神が取り付いて離れないのだ
しばらく悔しそうにしていた死神は
少しのあいだ自分から離れていく
体がまたしても
何者かによりコントロールされるのである
明らかに何者かと死神は別のものなのだ

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