私が本を出版するまでの流れ……企画の立て方と執筆の進め方について……

次話: 本を出版してから起こった3つのこと

私はライターで、これまでは、あまり個性を出さない方がいいタイプの文章を、書いてきた。仕事で書く文章は、自分の個性を出すことより、クライアントや読者にとって役立つ内容を届けることが大事だと考えてきたから。


自分の個性を出したいときは、自分のブログやFacebookなどで表現してきたのだ。


その私が、あえて自分の名前で本を出そうと考えたのは、

●ボランティアで運営してきたWebサイトが10年の節目を過ぎたこと

ライターとしての働き方に疑問や不安をおぼえたこと

の2つが大きな理由だった。


ボランティアで運営してきたサイトの情報には、現代の情勢にそぐわなくなっている内容や、10年前に筆力のない私が書いたため、文章が稚拙で読むのが疲れるという内容もある。

それらの情報をいったん整理し、またパソコンの画面を見つめ続けるのがつらい、という人のために紙製の書籍として発行しようという考えに至ったのだ。


どのような読者に読んでもらいたいか?

このことは、真っ先に考えたい。これさえはっきりしていれば、出版企画を立てる際に悩みが少なくなる。

たとえば「色」に関する本を書く場合にも、「おしゃれの好きな20代の女性に届けたい本」と、「色彩を研究している40代の研究者に届けたい本」では、その内容が違ってくる。


「ともかく多くの人に」というぼんやりした想定しかせずに書き始めると、どんなタイトルをつけていいか分からないし、どんな内容を書けばいいのかも決まらない。

結果的に「何が書いてあるのか分からない本」「これを読んだら、何が得られるのか分からない本」ができあがり、誰の心にも届かず、いつまでも買ってもらえない本ができてしまう。


私は、もともとWebサイトの読者として想定していた「慢性の疾患を患っていることが分かり、治療や生活の上で悩みを抱えている人」に読んでもらえる本を書くことにした。


出版企画の立て方

本というのは、初めから終わりまで、思いつくままにただ書き進めていけばいいというものではない。本全体で伝えたいことは何かを決め、その方向性がズレないようにどのような内容を盛り込むのかを取捨選択する。


具体的には「本全体の目次」を作る作業から始めることになる。


私はライターという仕事柄、書籍などの出版企画書を書く機会がある。さらに、Webサイトを運営していたために、1つ1つの話題が雑然とではあるがWebサイトに収納されている。

だからこそ、「目次」の作成にはすごく時間をかけることができたし、古くなっている情報や、新しく書き加えたい情報も「目次」作成の段階で、整理することにした。

Webサイトで閲覧できる情報を、ただ本にしただけでは、読者の方にとって魅力がないのだ。



執筆で後回しにすべきこと

本の冒頭に掲載される「はじめに」は、読者の心をつかむために重要な部分であり、これからこの本を読んだら何が得られるのかを、読者に伝えるべき部分でもある。

逆に言えば、本の中身が定まっていない段階で、「はじめに」を書くと、本の実質的な内容とはズレたものになってしまい、読者の心をつかみきれない場合がある。


だからこそ、私は「はじめに」から順番に書き進めるのではなく、本の内容が半分以上は定まってから、「はじめに」に取り組むのが良いと思っている。


校正は少なくとも2度、3度

本を書き進めているときは、心が高ぶっており、勢いでどんどん書いてしまうことも多い。そのときは「これで良い」と思って書き進めているため、思わぬタイプミスや変な言い回しにも気づかずに進めてしまう。

だからこそ、本全体を書き終わった後に、校正は2度、3度と行いたい。何からの統計情報などを利用して書いた部分は、引用したデータに誤りはないか、より新しいデータがないかなど、面倒でも確認するようにしたい。


そして出版へ

私が本の出版を決めたのが2016年11月半ばだった。

目次を検討するのにほぼ2週間がかかった。目次は本を書き進める過程で「変更した方がいい」と思える部分は思い切って変更した。


本に書きたいコンテンツの大半が、Webサイトにも掲載されている内容であり、それをよりブラッシュアップするという作業が多いと思われたが、実際にはWebサイトの内容が5割、新しく書いた部分が5割となった。執筆作業には3週間を少し超えるくらいがかかった。


校正を3度繰り返したので、その作業に2週間。根気の要る作業であり、精神的にも疲れて投げ出したくなったこと多数。

これまで、10年以上つづけてきた活動、蓄積してきたコンテンツを、2,3か月でまとめることができたのだ、と考えればいいのかもしれない。


こうして生まれた本は、2017年1月16日づけで「今日から病気も友達」という本として発売スタートとなった。早速お買い上げくださった方、「あなたから直接買うからサインを入れてください」と言ってくれる人もいて、本当にありがたいと思っている。


出版してお終いではない

本を出版することは、1つのゴールではある。

しかし、より多くの人に読んでもらうためには、「本を出版しました」という事実を、多くの人に知らせなければならない。ブログやSNSを使う方法もあるし、身近な友人、知人には思い切って献本という形で本を読んでもらうことも、良い方法だ。内容が良い本の評判は必ず、人を介して広がっていくからだ。

出版した後も地道にプロモーション活動を続けることが、「本を生み出した親」として、本という子どものために注ぐことができる愛情と言えるだろう。


以上、これから本を出す人の参考になればと思う。


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本を出版してから起こった3つのこと

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