本を出版してから起こった3つのこと

前話: 私が本を出版するまでの流れ……企画の立て方と執筆の進め方について……

2017年1月、「今日から病気も友達」という本を出版した。

本というのは、出版したら自動的に売れるものではない。出版したことを人に伝えたり、プロモーションをおこなったりして、買ってもらえるように努力しなければならない。他の商品やサービスを売る場合と同じような努力が必要なのだけれど、なぜか本だけは「出すことがゴール」と考えている人が多いように思う。


さて、私の書いた本は、アマゾンで購入できるようになったのが今年1月20日を過ぎた頃。まだ私自身にも本の現物が届いていなかった時期に、早速ご購入くださった方がいて、とてもありがたいと思った。


私が考える「出版した本が売れるポイント」

・本を書いた段階で狙ったターゲットに広告宣伝が行き届くこと

・著者そのものが有名人で、その人の言動に注目しているファン層が多いこと

・これまでにないような本、企画であること

・付録や読者特典が充実していること


さて、私が本を出版して「よかった」と心から思った3つの出来事を紹介しようと思う。


その1 本に登場する人が喜んでくれたこと

本を書くにあたって、関係者の皆さんに了解を得た部分もあるし、個人名が特定されないように工夫しながら書いた部分もある。


私が本当に嬉しかったのは、「本に書いていいですか?」とご相談したとき、

「もちろんですよ! 河野さんなら事実と違うようなことは書かないだろうから、何の心配もしていません。どんどん書いてください」

とご快諾いただいたこと。

そして、書きあがった本の中身を読んで、とても喜んでいただいたこと。


その2 「身近にいる○○さんに読んで欲しい」と言ってくれたこと

私が扱ったテーマは「これから、病気とともに歩む新しい人生を、どう生きるか」ということ。感情論や精神論だけでなく、今日の夕ご飯はどうするか、明日から掃除洗濯をどうするか、そして利用できる制度はどこにあるか、といった具体的な内容を取り上げるようにした。


その甲斐があって

「僕の身近に、病気や介護で悩んでいる○○さんという人がいます。ぜひ○○さんに見せたい」

という言葉をいただけるようになったのは、とても嬉しいことだった。


その3 「次の本を書きたい」と思えるようになったこと

今回、出版した本は、10年以上におよぶ「インターネットを通して、同じ病気の患者さんの相談に乗る」という活動があって、ようやく1冊分のボリュームになったものだ。だからこそ、完成したときには満足感、達成感があったし、「これで、本を出したいという情熱はいったん収まるだろう」と思った。


でも「100%満足な本を出す」というのは、なかなかできないため「8割、9割の理想がかなったら、そこでよしとする」という割り切りが必要になる。私も、取り上げられなかった話題もあるし、時間配分や労力の配分などで「こうすればよかった」という思いもある。

こういう思いを「次の企画につなげたい」という気持ちが、自分の中にまだ残っていることは、すごく驚いた。


フリーランスという働き方を選んだからこそ、自分で「これだけのことを、積み重ねてきた」と確認できるタイミングが、時々は必要だと思う。私の場合は、「本を出す」ことによって、これまでの自分を振り返ることができた。

「あー、よかった」で終わるのではなく、この経験を今後の人生にどう活かすか、考えるべきときなのだろう。



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