小さな女の子が大人たちの心を動かした話

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大丈夫か、私たちの心配をよそに、

娘はしっかりと自分の足で立ち上がり、

両手で証書を受け取ることができた。



本当は立ち上がるどころか、

この場にいることだって

あの時の娘にはかなりしんどいことだったと思う。



頑張り屋さんの娘だった。



他県に異動してしまった、

ずっと担当してくれていた先生も来てくれた。



大好きな看護師さんや看護師長さんもいる。

面会に来てくれた幼稚園の担任の先生もいる。



皆が娘を包んでくれていた。

皆涙を浮かべていたが笑顔で、

微笑ましい時間だった。



式が終わりに近づくと、

娘は幼稚園の先生方にお願いをした。



「弟をよろしくお願いします。」



弟もお姉ちゃんと同じ幼稚園へ通い、

春に入園する予定だった。



お姉ちゃんは弟がちゃんと幼稚園へ通えるか心配で、

ハラハラしていたのだ。



弟思いの優しいお姉ちゃんだった。



皆で写真を撮った。

もう病院のあちこちから先生や看護師さんが来てくれて、

とても賑やかな式となった。



娘はじっとしていたが、

どんなことを思っていたのだろう。



担当看護師さんにお礼を言った。

企画してから、今日の式を行うまで、

本当に大変だったことでしょう。



でも娘の心には深く刻まれたと思うし、

何よりあれだけ行きたがっていた幼稚園には行けなかったけど、

こうしてちゃんと自分も卒園できたのだという

思い出を作ってくれました。



娘の中でひとつのけじめができたのだと思います。



娘を優しく包んでくださった皆に、

ありがとうございます。

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