ある小さな女の子の生きた姿

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 桜が大好きだった娘。風に舞う桜の花びらを見て、「寂しい」と涙を流していました。桜を見ると娘との思い出が蘇り、グッと胸が締め付けられる思いがします。






娘の時は立ち会い出産でしたが、

産まれた時は力強いく泣き声をあげ、

その輝いた姿に私も妻も感動して涙をながしました。


人生で一番嬉しい瞬間に立ち会えたことを感謝しました。



その後元気いっぱい、愛嬌たっぷりに育っていましたが、

2歳の時にインフルエンザに罹り

看てもらっていた小児科で、

血液検査の結果で気になる数値があると言われました。



それから暫く経過を見ていた娘。

なかなか良くならない。



そこで今度は総合病院に移り、

お薬を使った治療を始めることに。



ステロイド剤を使ったので、

ムーンフェイスと言って顔が丸くなりました。

怒りやすくもなります。

それから食欲も旺盛になります。



娘に辛い思いをさせるのは心苦しかったけれど、

ここを乗り越えたら元気になって、

またいっぱい遊べるんだと

娘にも自分にも言い聞かせて治療に臨みました。



またしばらく経過を見ていましたが、

なかなか良くならない。

なんでだろうなぁ??



見た目は普通だし、

その辺の女の子と変わりません。

だけどちょっと血が元気を造れなくなっている。



天気の良かった日、

娘と妻と私で公園に遊びに行きました。

娘は公園が大好き。

車で行けるところはたくさん行きました。



新しい公園で娘が楽しそうに遊んでいるのを

見るのが好きでした。



でもその時は公園の遊具を前にしてうずくまっていました。

どうしたの?元気ないね、遊んでいいんだよ。

妻も私も娘の体で起こっている異変に気づきませんでした。



お外で食べようと思って持って行ったおにぎりも

ほとんど口にせず。

なんか調子悪くなっちゃったかな?

そう思って自宅に帰りました。



翌日は病院受診の日。

数値はどうかな、良くなっているといいな、

そんなことを思っていました。



血液検査を受け・・・



結果、緊急入院となりました。



血小板の値が1万を切っている。

非常に危険な状態。



なんで??

いや、娘は変わらないよ。



娘の体の中で何が起こっていたか分かりませんが、

血小板1万を切るというのは本当に危険。



血小板は健康な人だと通常20万~40万ぐらいあります。

血液を止める役割があり、

私たちが手などを怪我して切って出血しても、

そのうち止まるのは血小板が働いているからなのです。



1万を切ると、

当然血は止まりにくくなります。



もし転んで頭を打って、

頭の中で出血してしまったら・・・

考えただけでもぞっとします。



とにかく緊急入院。

先生も2歳でこういう症例に慣れていなかったのか、

戸惑っている様子が伺えました。



看護師さんたちがバタバタ入ってくる、

落ち着かない個室で

娘と妻はベッドで身を寄せ合って

あまり眠れない夜を過ごしました。



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