フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第34話

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前編: フツーの女子大生だった私の転落に始まりと波乱に満ちた半生の記録 第33話

玲子の失脚

《ここまでのあらすじ》初めて読む方へ

あることがきっかけでショーパブ「パテオ」でアルバイトをしている大学生の桃子は、少しずつ頭角を表し店のナンバーワンを目指していた。ところが恋心を抱いていた佐々木が突然店を辞め、店を取り仕切る立場の玲子に裏切られていたことを知った桃子は、玲子をいつか見返すことを誓う。そして、ついにナンバーワンの座を手にした桃子だが、それでは満足できず、本当の意味でパテオの頂点に立つべく、桃子はオーナーの川崎に取り入るようになる。



オーナーの川崎からは、それまでも幾度も声がかかっていた。


ショーの舞台で中央に立つ機会が増えた頃からだろうか


サングラスの下の目が、時折ハンターのように私を狙っていた。



あからさまではないが

黒服を通じて、店が終わったら時間があります?

みたいなことをさりげなく聞かれるようになった。


佐々木が店を辞めた頃からは

オーナー直々に誘ってくることもあった。

「〇〇ってバンド知ってる?今流行ってんだろ。

   そいつら呼んでるからさ、杏ちゃんもきなよ」


帰ろうとする私を呼び止め、手招きすると

ニヤつきながら、あえて軽いノリで耳元で囁くのだ。

「普通じゃ絶対入れないVIPルームだよ」



私は何かと理由をつけては断っていた。

体調がすぐれないので

明日授業が早いので

卒論のテーマを決めなきゃならないので


本当は嘘だった。

学校なんてすでにその頃はもう行ってなかった。


オーナーの権力を持ってすれば

私など、どうにでもできたはずだった。

そうしなかったのは

私にパテオを辞められたら困るからだと後に話していた。



「ったりめーだろ。俺はなあ、お前がそのうち

トップになるって踏んでたんだからよ。金の卵ちゃんだよ。

お前は素朴で優等生っぽいのが最大の売りなんだよ。

みんなの読んで良かった!