起業家がスタートアップウィークエンド東京に参加して実感したことを本音ベースで話します

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・みんなが使ってるからー
・うーん、難しいことは分かんないけどー、なんとなく?

価値がどうだ!と堅い頭でやってると、そこらへんは拾いきれません。
ただ、そういった曖昧な情報も、仮説に変換して検証する必要があるケースもあって、それ
は科学的にやらないといけないみたいな話もありそうです。

コミュニティファクトリーの松本さんとかは、この間、「あのカワイイでいきましょう」みたいに、カワイイという言葉を分解してる的な話をしていました。

・カワイイA
・カワイイB
・カワイイC

このユーザー層にはカワイイCがササるんじゃない?みたいな感じなのかな。

カワイイという価値も深く深く、理解する=分ける、ということをやると、そういうことになって
いくみたいですよ。

ゲームの世界とかは既にそういうことになってますね。ゲーム性の分類が、脳の報酬系と関
連で語られている。

これなんかがそれですね。 でも、研究者になるのではないから、ここまでやるのは起業家としてはtoo muchですけどね。
そういう役割を担うのは、起業家が作り上げたモデルを最適化するフェーズで出てくる人達です。起業家のスキルセットとは違う。

さて、最後の話にいきましょう。

ⅲ)審査員の場合
審査員がぴったり顧客であるケースもありますけど、大半は顧客じゃないですよ。

審査員もかわいそうで、どのプランに対しても何か言わないといけないという役割を与えられ
ているから、「ダメ出しというか視点出しの質問」を色々してたと思うんですけど、大抵のプラ
ンに対して「分からない」が正直なところだと思うんですよ。

予測に関しては最も秀逸なエントリーを載せておきます。

ニーズがない非顧客は当然いるんだから、その理由が分かればそれでいいんですよ。 そ
の人たちは顧客として取り込みに行かなくてもOKでしょう。

そして、実際に自分事になってみないと、そのプロダクト/サービスを買うのかどうか?と
いう判断基準を因数分解して、上に乗せたSubwayの話みたいなことを深く考えたり、日々
の生活の中に選択肢を探してみたりしないので、あんまり、意見は参考にならない。

審査員の方々は実績もあり、優秀ですし、彼らの疑問/質問は鋭いんですけど、単にそれ
らに対して、仮説や方針を持っておけばいいだけで、彼らの評価はどうでもいいんです。
メディアの人となるとまた付き合い方変わってくるんでしょうけど。

僕らの「レコメン」というサービスに対して、審査員の方々の反応はこんな感じでした。

ⅰ)「結婚相手を相談するだなんて、40中頃の私の周りの人達にそんな提案したら殺されますよ」

この感想が我々に与えてくれるヒントは、「ターゲットとする年齢層、ちゃんと考えたんです
か?」です。 
女性で言えば、我々のMVPによる実験において、20代中頃~30代中頃あたりのユーザー
にニーズを見つけることが出来ました。まずはそこらへんがボリュームゾーンではないかと思
います。

これから、夏に向けて、飲み会セッティング頑張りますw
誰が顧客になり得るか、実験をこれからも続けて行くのでOKです。あの時間内では検証
出来なかったのですが、40代ではあまりヒットしないんじゃないかなという仮説は持ってま
す。それも確かめなければなりませんね。これから。

ⅱ)「私の娘には使わせられないですね。悪意は存在するでしょうから」

これは、Facebook上では、みんないい子ちゃんとして振る舞っている点や、2chで誹謗中傷
がたくさん集まった板もある点などを考えてみるといいと思います。
アーキテクチャや文化の作り方によって、悪意ある行動を引き出しやすくなる、というのがあ
ります。
逆に、いい人部分を引き出しやすいサービスというのも作ることが出来ます。
クックパッドなんかは、そういう点で物凄く優れているし、ジャックマーが最近引退コメント
で言ってましたが、タオバオやアリババなんていう、あれだけ普及したサービスにおいて、自
分の利に寄せることが大好きな中国人がネット経由で信頼をベースにした取引がやれてる
んですよ。これは恐るべきことです。

あるいは、カウチサーフィンが善意のやり取りを生み出すプラットフォームとして成功している
という事例もあります。

悪意は、やり方次第では、最大限に減らすことができるかもしれません。
比較の問題になりますが、レコメンは、既存のいずれの出会いよりも、信頼性の高い出会い
を生みだすプラットフォームになる可能性もあります。

人と会う以上、リスク0は無理ですね。
友達経由の出会いだからといって、紹介した男が二股しないとも限りません。
自身が紹介した女性に対して、二股する不誠実な男は、絶交しますけど。
僕を利用してそういうことをする男がいないとも限りません。

運営してる中で、そういったトラブルは、確率論的に発生してくるでしょう。
どういうアーキテクチャであれば、ルーリングであれば、そういったトラブルの発生確率を
減らしていけるのか? それは、継続的な改善にかかってくるでしょう。

なので、ⅱ)のコメントはこういう風に捉えておけばいいのです。


「悪意が表出しにくくする仕組みは考えてますか?文化作りとして何をしますか?どういうア
ーキテクチャを選択すればそれが可能になりますか?継続的に改善していくチームをどのよ
うにビルドしますか?(もちろん常駐チームを用意するならば、費用がかかります。どの程度
ケア出来るかは売上とのバランスで考えなければなりませんよ)」

このあたりは李さんが言ってた、ビジネスモデルまで考えられてないでしょ!という部分です
が、5分のプレゼンで盛り込むのは無理なのと。

フレームワークに沿って、3日という限られた時間を、それぞれの要素にバランス良いリソー
ス配分をすることは捨てて、顧客開発の部分に、全精力つぎ込んだわけで、そこらへんが
我々の判断でした。

「スタートアップする」というのは我々にとってはそういうことだったんですね。

スタートアップをやるということ


「スタートアップ」は、常識を疑い、自分達の目で、足で、何がうまくいくのか?を徹底的に追
求し、因果律を見つけ、それを再現可能な仕組みとして実装していく、そういう試みです。
面白いです。

ただ、しんどいです。
スタートアップは、主に投資や、エクセレントなことをやるための人というリソースを先にがっ
つり集める以上、急成長しなければならないという運命を背負うので、ワークライフバランス
とか言ってられなくなる。

前にブログにも書きましたが、この3日間の盛り上がりというのは、リアルなスタートアップ
とは違うんですね。

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