非モテ・根暗で鬱寸前だった男がアイドルプロデューサーになった話




1年前、僕には色が見えませんでした。

※注:ここに書く話はあくまで主観的な捉え方であって、誰かや周囲の環境等のせいではありません。


その日は、人生で一番最悪な日でした。いつもの休日、ぱっと目が覚めると体が少しおかしいことに気づきました。

「心臓が痛い・・。」

激しい胸の痛みに襲われ、胸を押さえようとしても手に力が入りませんでした。

のたうちまわりながらベッドから落ち、もう一度目を開くと、、、そこには色がありませんでした。

全てが灰色に見えたのです。


毎日、結構遅くまで仕事をしていました。徹夜をすることもありました。明日の仕事を考えると不安で不安で眠れない日も続きました。


冒頭で書いた出来事はそんな矢先に起きました。


仕事に影響するのは嫌で、病院には行きませんでした。なので、病気だったかは分かりません。でも、悲しくもないのに突然涙があふれることや、足が重くていつもより3倍くらい出勤に時間がかかったりしてました。きっと鬱寸前だったのではないかなと思います。


僕には大切にしたい人がいませんでした。そして、休日に遊ぶ友達もいませんでした。

数年前、大学生の時です。「将来、社会に少しでも良いことがしたい、そのために起業がしたい。」

当時の僕はそう思っていました。そして紹介がキッカケで、とあるベンチャー企業でインターンを始めました。

当時は2008年。リーマンショックの直後でした。ITバブルがはじけ、軒並みベンチャー企業が倒産をした時期でした。なので、ベンチャー企業といえば、大学生にスーツを勧めるような怪しい悪徳企業が多かった時代です。

でも僕はそんなこと知る由もありませんでした。

会社に言われた通り、一生懸命に働きました。そして、、大切な友達を失っていきました・・。

そう、マルチ企業だったのです。まあ厳密に言えば、マルチではなかったのですが、友達を勧誘するという意味では構造は一緒でした。

信じていた人に裏切られたことで誰も信じることが出来なくなり、人間不信に陥った僕は、友達も作らず、大切にしたい人も作りませんでした。


時間が経ち、いつしか、楽しくなくても笑えるようになりました。それで社会に溶け込めるようになりました。

でも、心のどこかでずっと闇を感じていました。



「アイドル運営始めました。」

そんな気持ちを打ち消したくて、社会人になってからも、目の前の仕事に没頭する日々を選んだのかもしれません。やりたいことも見つからず、まずは目の前のことに集中しようとSNSなどもやりませんでした。


毎日、仕事場と家だけを往復し、休日はただただ寝るだけの日々でした。みるみる内に、死んだ魚の目となっていくのが自分でも分かりました。

その積み重ねの結果が、冒頭の出来事でした。


「もう会社を辞めよう・・」

そう思った時でした、SNSを開いたのは。

目の前のタイムラインに投稿が表示されました。


「最近アイドル運営を始めました。」


特に理由はありませんでした。何となく気になった、ただそれだけです。

でも気づいたら、投稿した友達に連絡を取っていました。


「一緒にやろう!」

会って第一声。

アイドルプロデューサーとなった瞬間でした。


最初はアイドルのこと、全く分かりませんでした。だから、地下アイドルのライブに行きまくりました。一緒にヲタ芸もやりました。

でも、周囲にアイドルを運営してることを隠している、そんな自分がいました。

なんか恥ずかしかったんです。



サルカニバナシ結成。

順調にコトが進んでいたある日、事件は起きました。

2人組アイドルなのに、片方が急きょ39℃の熱で病欠することになりました。


残ったもう1人は今にも泣きだしそうな顔をしていました。

それもそのはず、その日は初めて見に来るお客さんが多いライブでした。


直前まで、2人分の歌詞やダンスを必死に覚える彼女。

無理ならやめよう、僕は彼女にそう言いました。


「わたしは1人でもステージに立ちます」

それが彼女の答えでした。


ステージにあがる姿を心配しながら見つめていた僕。


照明が落ち、音楽が始まった瞬間、さっきまでの泣き虫な姿はありませんでした。

そこには、覚悟と誇りを持った1人のアイドルがいました。

もう1人も、その日の自分を取り戻すかのように、その日を境にアイドルに向き合うようになりました。


それからの日々はただがむしゃらに、ひたむきに。毎日何か身につけたいともがくそんな日々でした。

本気でアイドルをやっている彼女達を応援したいという一心でした。


気づいたら、恥ずかしさなんて、なくなっていました。


普段の仕事に加えて始めたアイドル運営。時間的には昔より忙しくなったはずでした。

つらいことも苦しいことも沢山ありました。

でも大変なはずなのに、気づいたら今では支えてくれる仲間がいて、心から笑えている自分が、そこにはいました。


そして、あの出来事から1年が経ちました。

いつからなのか分かりません。ふと顔をあげたら、世界はカラフルに見えました。



「伝えたかったこと」

以上が僕のセカンドストーリーです。


”誰もが自分の熱狂に素直に生きてほしい。”

そんな想いを持ってアイドルを運営しています。

サルカニバナシの2人も、一度は諦めた芸能界へ、本気で挑戦を始めました。



すごく拙い文章ですが、僕が伝えたかったこと。


自分が本当に欲しいものに目を向けよう。そして、欲望にわがままになろう。

キッカケなんてほんの小さなことから始まる。少しでも心が動いたら、まずはやってみよう。

一歩踏み出せば世界は変わる。あなたの目の前に、チャンスは広がっている。


それでも、まだ一歩踏み出すことが不安なあなたへ。


だったら一緒にやりましょう。

昔、あなたと一緒の気持ちだった僕が、少しでも力になります。

今度はあなたを支える存在として。



最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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