三児の母医学生
今思うと医学部を目指した時は、まるでエベレストを一番下から眺めている気持ちだった。あの頂上にいつか辿り着くぞと思った。
不思議と不安はなかったが、やり遂げるぞと思って意気揚々とした気持ちだった。
そのあとのものすごい苦労が待っているとはつゆ知らず。
医学部に合格した時のあの感動は今でも忘れない。
主人の勤める会社の社宅にいた私。もう30代の終わり何としてでも受かる気持ちでいたけど、年齢的に今年が最後かなと思って受けた。
当時社会人入試を受け先に合格していたIさんが合格の掲示板をガラケイ
に送ってくれた。
Iさん
Mさん、合格していましたよ。写真を送ります。
私
本当ですか?信じれないです。本当に?
それをみた時は信じれない気持ちだった。
だけど確かに私の番号はある。20倍はゆうに超えていただろうあの入試。合格したんだと喜びが全身に溢れてきた。そして母に電話した。
私
合格した、やったやった。ねえ合格したんだよ。
長女がまだ3歳、長男がまだ6ヶ月だった。
合格した大学に向けて長男、長女、私は北海道から海を渡り愛知に移った。
*子供達を保育園に預けながら通う大学。
あれだけ夢見た病院での実習。夢のようだった。毎日が必死で毎日が充実していた。
続く。
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