逆境の中でも夢を諦めたくない女性へ

次話: 三児の母医学生

3人の子育てをしながら医学部受験を成し遂けた、私の原点を書きます。


小学校の頃から両親が仕事で忙しく一人で過ごすことが多かったです。

勉強が大の苦手で、小学校のころから最下位ばかり。

親の離婚もあり苦労を重ねてきました。


20代で臨床心理士的な役割で、摂食障害の方の

セルフミーティングに参加していたとき、

患者さんと医師の間に挟まれ、精神的にも追い込まれたことがありました。

その頃、父を病気で亡くしたこともあり、

医学部を目指すようになりました。その時32歳です。


その後、結婚、出産を経て

ようやく医学部に合格したのは39歳!

実に7年かかりました。

本当にたくさんの困難がありました。



<重症悪阻・流産を乗り超え出産、そして友人の死>


34歳の時、同じ医学部を目指す今の夫と結婚。

当時の主人はまだ23歳。

主人の近所のおばさんまでも、「やめとけ」というほど

周囲は猛反対でしたがそれを押し切っての結婚。


年齢的なこともあり、医学部も目指しつつも、

出産を後回しにするわけにはいきませんでした。


35歳で妊娠したものの、重症悪阻で入退院を3回繰り返します。

トイレで倒れナースコールも押せなかった時、

たまたま隣にいたおばあさんに気づいてもらえ

一命を取りとめました。



その入院中、以前一緒に薬局を経営していた友人が

うつのような状態になっていること知りました。

「休んでいいんだよ」と励ましていましたが

私も生きているのがやっという状態で

ゆっくり話を聞くことができませんでした。

最後の電話の翌週、

彼女が自殺したことを聞き私は泣き続けました。


そしてその翌日、私は流産してしまいました。

子供の心音が止まっていると聞き、

あまりのショックで、どうやって帰ったか覚えていません。


・我が子の死

・私が医師になることを心待ちにしてくれていた友人の死

・父の死


救えなかった命を前にして、やはり自分は医師となって

やり遂げなければいけないことがあると思いました。


翌年待望の長女が誕生、その3年後に長男が誕生、

長男6ヶ月の時、授乳しながら試験勉強、受験をしていました。

そして、39歳でようやく医学部に入学できたのです。



<過酷な受験勉強>


はじめに入った予備校は

全国の名門進学校の中でもトップクラスの学生ばかり。

私はコツコツとやり続けるしかないとわかっていても、

ゼミの模試を受けるたびに、壁の高さを痛感していました。


ベビーカーを押しながら代ゼミの入会申込書を提出に行った時のことは

今でも覚えています。

「赤ちゃん連れて何してんだ?」というような

事務員の方の冷たい視線に愕然としましたが、

私は怯みませんでした。

よし、この予備校で頑張ろうと思ったのです。


先生の講義は常に前の席で聞き、

それでも、わからないことがあれば、

すぐに講師室まで行き質問し、解決していました。


勉強と子育てを両立させるために、

保育園を徹底的に調べました。

生後一番早く預ってくれるところ、

平日や土日もなるべく遅くまで

預かってくれるところを探しました。

かかりつけの病院と夜間救急を対応している病院も

押さえておきました。



夜寝かしつけてからは疲れているので、

朝4時に起き6時半くらいまでが貴重な勉強時間でした。


疲れた時は、アロマオイルのマッサージを受けていましたが、

どうにも疲れて心も折れそうな時は、ヒプノセラピーも受けました。


癒しも大事ですが、私にとっての一番の原動力は、

実は、次の試験に向けて日程を組み

スケジュールを立てることだったのです。



<晴れて医学部に入るも>


合格してからの日々は益々大変です。

今まで生きてきて沢山の苦労があったはずなのに、

それを全部ひっくり返すくらい大変。


そんな私を勇気づけてくれたのは、

母、義理の両親、主人、子供達

そして、病院にいる患者さんたちです。


私は病院が大好きで、病院に行くとホッとします。

病院の患者さんたちを見ると

「待っていてください。私が一人でも多くの方の力になります」

と念じているのです。

そうすると何とも言えない安堵感が湧いてきて。

ああ、これくらいの苦労なんてことないって思えるのです。



<最後に・・・>


医学部に通っている今、

「頭が悪いなあ、(医者になるまで)いつまでかかるんだ??」

応援してくれる夫にも、そんなふうに言われることもあります。


学生時代は家庭環境には全く恵まれていなかったし、

今思えば、母の愛情にも飢えていました。


そんな私ですが、何が起きても周りのせいにせず、

自分のこととして人生を受け止めたことで、

こうして人生を変えることができました。


暗い中にいて先が見えないと思っている、

逆境で夢をあきらめそうになっている、

だけど、やっぱり夢をあきらめたくない

そんな女性に、私のへこたれないガンバりが一筋の光になれば

と思い、メッセージを届けていこうと思います。


その光をたどってあなたがあなたの夢を実現してほしい。

「大丈夫、あなたならできる!」私はそう信じています。

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