カルト教団の長老(幹部)だった話 その3

前話: カルト教団の長老(幹部)だった話 その2

我々親子は共々に、愚かにも何十年にもわたって、エホバの証人の唱えるカルト的な教えに心酔し、信仰し、邁進してきた。

その教えの内容とは、この世界にはエホバという神と、サタンという神しかいなくて、互いは敵同士であるが、力が圧倒的に強く、全知全能の創造神であるエホバ神のほうが、間も無く、完全勝利を収める、という馬鹿げた教えと、我々が生きている間に、この地上には、やがて神の大いなる日の戦争と呼ばれる、ハルマゲドンがやってきて、今までこの世界を支配してきたエホバを信じない邪悪な人々が、天から降る火や地割れにより、全員もれなく刑罰的に滅ぼされる一方で、エホバの証人の心の正しい者たちだけが生き残り、やがて楽園となるこの地上で永遠の命を受ける、というカルトに都合の良い終末思想の教えだ。

まるで、絵空事のような教理なのだが、エホバの証人の信者たちは、それを真面目に信じている、というよりも確信しているのだ。

そして、この教理は信者たちにとって、飴とムチのムチのような役割を果たしてきた。

なぜなら、信者たちはこの教理によって形成された恐怖心を、死ぬまで抱き続け、万が一に少しでも自分が道を外したなら、つまり、エホバの証人的な罪を犯したなら、必ずや処罰されて、邪悪な人々と共に完全に滅ぼされてしまうと、これまた本気で信じているからである。

その教えを信じて、熱心に奉仕し続けた我々親子にはカルト教団から様々な特権が差し伸べられた。

 ただし、特権とはいっても、世間からしたら、本当に大したことではなく、本人のプライドを煽るだけの些細で馬鹿げたものだった。

だが、それが我々信者にとっては、いわばアメのような効果をもって、洗脳度をますます深める要因となっていったのである。

そして、何よりも我々信者は、神が天界におられて、自分たち人類の一挙手一投足をつぶさに監視し記憶していると、盲信していた。

だから、何をするにも、神はそれをどうご覧になるだろうか、と常に神の目を意識していたのである。

我々信者にとっては、その神は架空の存在などではなく、目には見えないが、必ず実在している極めて身近な実在神だったのだ。

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