たかちゃん~ひでお物語~

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遠い記憶をたよりにただ書き綴る自分史。遠い記憶はいつまでもどこかほろ苦い味がする。

小学校2年生くらいのときかな、学校に転校生がやってきた。名前は「たかこ」といった。だからたかちゃん。 小さいときだったから、かわいいとかどうだとかそんなものさしはもってなかったと思うけど、写真であとからみるとかわいかった。
家はそんなに近くないのだけど、ときどき遊びにいった
遊びにいったと自分でその記憶があるからそう書くのだけど、自分の家とは反対方向だし、たかちゃんのうちまでは小学生にはきつい坂道が長くつづくし、自転車でいってもその坂道だからきっと15分くらいかかると思うのだけど、それでも遊びに行ってた。
ふと思う。どうやって家の場所を聞いたのかな。一緒に帰ったのかな。女の子と遊ぶことそんなに恥ずかしいとか思わなかったのかな。どんな気持ちだったのかな。
そんな女の子に対して積極的な少年がその後の中学生時代に暗黒期を迎えることはこの時はしらない・・・。

たかちゃんはピアノが上手で、となりで聞いていた。みかんをもらって一緒に食べた。一緒に食べてたんだけど、自分のみかんだけなぜか黒くなってたので、それをみて、たかちゃんは笑った。

そんなたかちゃんは3年生の初めに引っ越していった。どこにいったのかは知らない。
恋心?
そんなものはなかったよ。


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