Start! JUGEM

前話: 憧れのインターネットベンチャー
次話: ベンチャーの光と影

資本提携の話が進んでいるとは露知らず社内ではブログサービスの立ち上げ準備が進行中だった。ロリポップ!では、お客様自身でインストールするタイプのブログを推していたが、申込みをしたらすぐに使えるASPと呼ばれるタイプの無料ブログサービスが相次いで立ち上がっていたため、ボクたちは危機感を感じ、新しいサービスとして準備していたのだ。オフィスに遊びに行ったらそのまま8人目のスタッフとして入社することになったデザイナーと、新しいプロジェクトのために昨年末に入社した元ソムリエのプログラマーで開発が進んでいた。

デザインの自由度とクオリティを強みにしようと、ブログはカスタマイズしやすく設計され、デザインテンプレートはシンプル・クール・ポップと様々なものを用意した。自分たちではたくさんのデザインテンプレートを準備しきれなかったので、長崎でかっこいいデザインのブログを運営していたフリーランスのデザイナーさんを見つけ、その制作をお願いした。


京都のベンチャーが運営するはてなダイアリー、プロバイダをやっているニフティが運営するココログ、堀江社長率いるエッジが運営するライブドアブログとすでに先行しているサービスでは、多数のユーザーとタレントやミュージシャンといった著名人を何人も抱えていた。コネクションも何もなく、著名人を囲い込むことができなかったため、ボクはもっと身近にコンタクトが取れるネットで著名なブログ作者さんたち数十名にメールをして、paperboy&co.の新しいサービスの案内と、プロモーション活動への協力要請をした。ブログ作者さんたちは好意的に対応してくれ、ほとんどの方が協力を承諾してくれた。

開発も佳境にさしかかった頃、新しく始まるブログ「JUGEM」のカウントダウンイベントとして著名なブログ作家が参加する『 Start! JUGEM 』を開催し、期待感を煽った。そのプロモーションの後、JUGEMは正式版の一歩手前であるβ版としてユーザー登録を開始した。デザインと自由度とこのサービスは何かやってくれそうだなという期待感が評価され、ムームードメインに続き、このサービスも順調な出だしだった。



その1ヶ月後、ボクは新しい生活に向けての準備をしていた。グローバルメディアオンライン(GMO)グループとなり、東京でオフィスを開設するためだ。サーバーエンジニア、社長、ボクの3名分の席をGMOのオフィスの一角に設けてもらった。初めての東京生活とインターネットベンチャーのダイナミズムを感じれる喜びを胸に、5年間住んだ福岡の地を後にした。


著者の佐藤 健太郎さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

ベンチャーの光と影

著者の佐藤 健太郎さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。