第13話「アメリカの洗礼 続き そしていよいよ授業を選択する時」⭐︎夢を諦めている人へ!コードも読めないアラサーの私がプロのジャズシンガーになるまで⭐︎
クッタクタに疲れ切った身体で、深夜に、外国の空の下で、身1つで、裸足で、部屋を締め出された私。
一体どうしたら?
私にできることは、とりあえず、このドミトリーに滞在している日本人の知り合いを頼る事しか出来ませんでした。
彼女はもう自分の部屋に戻って来ているだろうか?友達の引っ越しを手伝うって言ってたので、そのまま引っ越しパーリーで帰って来ていないことも考えられました。
幸い、ほんっっとに幸いな事に、
彼女の部屋番号がわかったので
(記憶していたのか、書いたメモがポケットに入っていたのか....実は思い出せない!)
5階の彼女の部屋をノックしました。
反応ナシ。
うーん................やっぱりまだ戻って来ていないみたい。
とりあえず待とう。
ドアの外の廊下で、体育座りですよ、もう。
側から見たらすごく可哀相な絵面です。
少しすると
「キュッキュッ」
って音と共に、さっきまでしてたザーッって音が止みました。
シャワーだ!シャワーを浴びてたんです、彼女。
で、
今だ!と思い、再度ノック。
鬼ノックです!!
「kaori なんだけど.....Iさん、いる??」
すると、
「どうしたん!?ちょっと待って!今開ける!」と中から声が。
天使の声。
開いたドアには
日本で一度だけ会ったことのある彼女(バークリーのサマーセメスターを既に取ってた)が濡れた髪のまま立ってました。
助かった.....
「迎えに行けなくて、ごめん、でも無事着いたんやー、良かったー」と彼女は明るく言って、
私が裸足なのに気づく。
私は最後の力を振り絞って、今までのことを説明した。
すると、
「今、ルームメイトの子が実家帰ってんねん。
その子のベッド使わしてもらったらいいよ!2,3日帰ってこんって言うとったから。
kaori さん、ほんまにウケる!」
アメリカではよくあること、と言わんばかりの軽〜い対応だったけど、
その時の私には、反撃するバイタリティはなかった.....
いやいや、笑い、一切狙ってないんだけども。
そんなわけで、
やっとやっと、そのルームメイトの方のベッドを借り、
着替えもないため、日本から着てきたジーンズ、涙の染みたシャツのまま、鉛のような自分の身体をやっと横たえる事が出来ました。
二段ベッドの上の方に寝るの初めてで、
不安定で怖いと思いながら、
落ちないように?なのか、
借り物だから汚さないように?なのか、
なぜか、
身体を小さーく丸めてタオル頭から被って寝たのを覚えてます。
その時期は、ちょうど夏休みの最後の1週間の辺りの、
しかも週末の確か金曜日で、
私が自分の部屋に戻れるのはそれから2日後の月曜日でした.....
その2日間の事はどうしてかあまり思い出せません。
時差ボケもあったし、ほとんど日にちの境目の感覚もなく、寝ていた気もします。
靴もないし爆
スペアキーを返しにオフィスに行った時、
「スペアキーをインナーロックしたんだって?爆」的に大笑いされたんですけど、
これ、元はと言えば、誰だか知らんけどスタッフの鍵の間違いミスだよね!?
勘弁してよ!!位の事を言いたかったですが、
もちろんその英語力もなく、
ヘラヘラ笑ってその場を取り繕ったのは言うまでもありません。
アメリカで生活するには、
英語力が必要です。当たり前です。
ナメてましたね、アメリカ。
さて、長〜い余談を挟みましたが、
いよいよ怒涛の校内リクエーションからの、
授業選択の為、分厚い履修要項との戦いが始まります。
自由の国の学校で、何を学ぶのか?
それは、学びたい本人に任されています。
意志がなければ、意味、もない事になります。
学費を消費するだけの無駄な授業を取ることになる訳です。
この履修選択の時期は、とても大切な時期なのですね。
1週間くらいの間に、気になる授業を「仮選択」する時期が設けられており、それで受ける授業を決めていきます。
仮選択から2週間を過ぎるとフィックスになり、
その決めた授業を4ヶ月間取る事になります。
しかし、当時
そんな予備知識一切なく...
昨日やっと自分のスーツケースから荷物を出したばかり、みたいな私は、身も心もボロ雑巾のようで、生活もままなっておらず、
しかも残りの数日間で、借りている部屋の期限が来るのでドミトリーを出なければならなかったので、
大事な授業選択の時期と、
異国での初めての物件選び&引っ越しが重なるという........
痛恨のミス。
俯瞰してみてたら
「あら〜、こんな事になっちゃって、大変!」とわかるのですが
当時の私は、
ほとんど白目むいてましたので、
自分の置かれた状況の深刻さをあまり認識できていませんでした。
どちらかと言うと、
部屋がないことの方が、焦っていました。
日本で経験したことのない、バッゲジロストや、インナーロックでの部屋からの締め出しが相当なトラウマになってました。
でも、やはりここでも、
ミラクルが立て続けに起こっちゃうんですよね。
どんな授業を選択し(出来)、
引っ越しはうまくいったのか?
次回書いていきたいと思います。
To be continued...
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