早慶戦の思い出
春になるといつも思い出す事。
それは大学に入学してまもなくの早慶戦。
早慶戦は土日で行われる。
その2試合が1勝1敗だと、月曜日に第3戦が行われる。
その場合、月曜日の授業は全て休講になる(春期リーグに限る)。
だから多くの学生は勝敗が第3戦にもつれ込むと喜ぶ。
そして早慶戦による休校にはこんなドラマもあるのだと言うことを知って欲しい。
当時(約20数年前)私は、コンパで知り合った短大生Sさんと仲良くなり始めてた頃。
そのSさんとはコンパ後、何度か電話で会話していたが二人で会った事はなかった。
そして、早慶戦前のある日の電話。
Sさん「今度の日曜日○○に行きたいんだけど付き合ってくれない?」
俺「あ、その日みんなと早慶戦観戦に行く約束してんだ。でも早慶戦が第3戦にもつれ込んだら月曜日休講になるから空いてるけど?」
Sさん「月曜日は私も午後からだったら講義ないから大丈夫。そん時は日曜の夜に電話するね。」 って事になってた。
そして早慶戦観戦、土曜日21時から徹夜で並んだ。
日曜日午後試合開始。眠い。試合終了。その後飲み会。
家に帰り着いたのは深夜0時頃。すぐに寝た。
すぐに電話が鳴った。
「ぁい・・もしもし・・・・」
「もしもし。わたし。分かる?」(女の声)
「はいはい。わかりますよ。」 (あ~・・・そういえば、明日約束・・・)

「なんだ。つまんないの。」
「いや。声で分かるよ。」 ・・・しばし世間話・・・
女「今日、早稲田勝ったね。」
俺「あー、明日休講やね。○○行こっか。」
女「え? ○○?」
俺「あれ?○○行きたいんやなかったっけ?」
女「いや・・・別に・・・」
(え~・・・っと・・・おかしいな・・・そういえば声がSさんじゃないような・・・)
「あのさ・・・」ってなにげに今話している相手がホントにSさんなのか探ってみた。
探りの結果、今話している人がSさんと別人であることが判明。
今話してるのは同じ学科のHさん。
タイプで言うと『サザエさん』に出てくる「花沢さん」。

さてと・・・・どうしよう・・・ こんだけ話してて今更「人違いでした」なんて言えんしな・・・ しかも向こう、デートの誘いかと思って必死に悩んでるし・・・ 自分もなんて説明したらいいかでしばしフリーズ。
したら、 「やっぱ、ごめん・・・岩野君・・・」 ってすっげー申し訳なさげに。。。。
「うん!うん!いいよ。いいよ。俺も別にそんな行きたかった訳じゃないし。」
「・・・ホントごめーん。」と花沢さん。 っと、その場しのぎのこれがまずかった。 休講あけの火曜日。

学校に行ったら友人が満面の笑みで 「おぅ!いわの!お前、花沢に振られたらしいな!」
「??????」
「あれ。」といって斜め右45°方向を指さす。

その方向には満面の笑みで 「この前サー、岩野君にサー、デート誘われたんだけどサー、断ったんだけどサー、悪くてサー・・・ガハハハハハハ・・・・」 と大声で女友達に演説する花沢さん。
電話で申し訳なさげに断った面影なし!
友人にはこっそり内実話して分かってもらったんやけど、 それから自分にかかって来る友人からの電話。 みーーーんな
「もしもし。わたし。わかる?」
って野太い声で・・・
いいネタにされてました。
ちなみに。Sさんとのその後。
花沢さんからの電話の前、23時頃電話くれてたらしいが、自分が不在(夜に電話すると予告していたにもかかわらず)だったことに腹を立てたらしく断絶してしまいました。
もちろん月曜日のデートも無。
女性による電話での「もしもし~私。誰か分かるぅ~?」と、飲み屋での「私、いくつに見えますぅ~?」は法律で厳しく取り締まって貰いたいと常々思っている。
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