僕の人生を変えた魔法の習慣 - 落ちこぼれが○○に気づいて3年で店長になった話
たまたま立ち寄った本屋で、導かれるように手に取った1冊の本。
それは、講演家・中村文昭さんの本だった。
今思い返しても、なぜあの時その本を手にしたのかわからない。
けれど、そこには僕の生き方を大きく変えるヒントが詰まっていた。
中でも僕にとって衝撃だったのは、中村さんが若い時に師匠に教えてもらった、あるルールだ。
1. 返事は0.2秒
2. 頼まれごとは試されごと
3. できない理由は言わない
4. そのうちと言わず今できることをやる
この4つを常に心がけ、頼まれごとは即決で引き受ける。
そして、引き受けたことは、相手の期待を超えるレベルで返していく。
これを続けると物事がどんどん良いほうに動いていく、と本には書かれていた。
・・・
・・
・
これだっ!
僕は直感し、心臓が高鳴った。
正直なところ心のどこかに「本当かな?」という気持ちもあったかもしれない。
けれど「そのうちと言わず、今できることをやりなはれ。返事は0.2秒」と、中村さんに背中を押された気がした僕は、即決でこの教えを実践することにした。
言われたことは気持ちよく「ハイ!」
そして、相手の期待を超える
その日から、僕は自分を変えた。
頼まれごとはもちろん、誰に何を言われても気持ちのよい返事で、しかも即決で「ハイ!」と答えるようになった。
与えられた課題には、相手の期待をはるかに超えるレベルで返していった。
僕は1日のトレーニング時間を6時間に設定し、毎日欠かさず続けた。朝5時まで練習することもしばしばあった。
その日のうちに読み終え、学んだ箇所に付箋を貼り、読書感想文を添えて翌朝に返却した。
営業時間中は時間が取れないので、休日に早起きし、頼まれた場所とその周辺の草をたった一人で全部抜いた。
相手の期待を超えるために、僕は極端なくらい行動した。
そして、快進撃がはじまった
一般的に美容業界のキャリアは、アシスタント→スタイリスト→店長とステップアップしていく。
僕は当初、1年目でアシスタントとして働いていた。
アシスタントはお客様の髪を切れないから、シャンプーなどの商品を販売しないと売り上げが作れない。
僕は社長に相談した。
僕はお店の商品を全部買って試した。
総額5万円の自腹購入は、当時手取り15万円の僕にとって安くはなかったが、身銭を切って試すうちに、店内の誰よりも商品に詳しくなった。
お客様目線で良い点と悪い点を語り、僕の体験談を交えながら、お客様の要望にあった最適な商品を提案したところ、多くの人が買ってくれた。
僕は1年目で、しかもアシスタントにもかかわらず、商品の売り上げが店内でナンバー1になった。
商品販売を通してお客様の信頼を積み上げていった僕は、次第にシャンプー以外のことも相談されるようになった。
すると、
どうして切らせてあげないの?
という声が、お客様の方から上がるようになった。
僕が店内の誰よりも多く練習していたこともあり、社長は1年目の僕をスタイリストに昇格させた。
普通、スタイリストになるのに3年はかかるところ、1年目でなるのは驚異的なスピードだった。
日頃から返事をすぐにし、できない理由を決して言わず、相手の期待を上回り続けたことで、
2年目にはスタイリストとしての売り上げも店内でナンバー1に。
3年目には社長から
と言っていただき、
と即決で答えた。こうして僕は、店長に就任した。
たくさんの先輩社員がいる中で、異例の大抜擢だった。
期待を超える行動が、僕の進むべき道を切り開いた
あれから紆余曲折を経て、僕は独立し、小さな美容室を6店舗経営している。
自分の美容室を作ってからも、お客様やスタッフ、周りの人たちの期待を超える努力を続けている。「北原に頼んで良かった」って、心の底から思ってもらいたいから。
こうした話をすると、「それ、北原さんだからできたんだよね」とよく言われるけれど、絶対にそうじゃない。
僕は落ちこぼれだったし、世の中には僕より能力のある人の方が多いと思う。
にもかかわらず、こうしてやってこれているのは、社会人1年目で○○に気づいたからだ。
それは、
何を頼まれても、気持ちの良い返事で「ハイ!」と答え、
相手の期待を全力で超えること
これこそが、たとえ今がどんな状況でも、困難を乗り越え、パワフルに前進できる魔法の習慣だと、僕は信じている。
この習慣を身につけてからは、周りの人たちが進むべき道を用意してくれるようになった。
そして、僕はその道を全力で駆け上がっていった。
今の僕は、昔の僕からは想像もできないような高いステージで、新しいことに日々挑戦している。
毎日がとても刺激的でワクワクに満ちあふれ、充実している。
もしあなたが今、何かに行き詰っていたり、将来に不安を抱えていたりしているのなら、ぜひ魔法の習慣を試してみて欲しい。
まずは一番身近な”自分”の期待を小さく超えることから始めてみよう。
その小さな一歩は、きっと、あなたの中の歯車を静かに回し始めるから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
北原孝彦
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