東京キャンパスライフ

前話: 中野の女
次話: シェイク・シェイク

今から20年以上前、私は大学進学のため福岡から上京した。 

前回の話でも書いたが自分は高校を卒業するまでほとんど女子と会話をしたことがなかった。 

高校が男子校だった為もあるし、中学校では女子と会話をしてはならないという鉄の掟が存在していた為もある。 

そんな自分が東京で学生生活を送るのは困難を極めた。 

東京人達は男女がとても仲がよく、そして会話がスマートだった。 だから自分は最初無口な男になった。 

ある時、講義が休みになりクラスのみんながキャンパスの芝生の上で車座になって会話をする事があった。もちろん男女入り乱れて。

  



当時流行りの トレンディドラマのような1シーンに自分は感動した。 

もしカメラがあったら記念撮影をしたいくらいだった。

 しかし会話の内容はとてもつまらなかった。 

「○○さいこーー」「・・・みたいなー」「超うけるー」「なにバカなこといってんだよ、おめー」 こんな会話でみんな膝を叩いて笑っている。

 なにがおもしろいのかさっぱりわからない。

 (トウキョウハ コワイトコロズラ・・・・) 


そんな時、ジュースを持った女の子が輪の中に入ってきた。


  



 一人の男がさらりと言った。 

「おお、ちょうど喉乾いてたんだよ。一口くれよ」 

(おいおい、男女間でそんなハレンチな・・・それは伝説の間接キッスじゃないか。) 

などと思っている隙に、既に男はその缶に口をつけていた。 

そして「おれも」「わたしも」とみんな言い出し、ジュースの缶は人から人へと旅をする。 

(トウキョウはフリーセックスの国か?) 

ドキドキしながらその光景を見ていた。


  



 そしてそのハレンチ行為の結晶が自分の手に渡って来た。


  



 あまりに未知の世界の出来事で「これはCIAの陰謀かもしれない」とさえ思った。


  



自分の地元だったら確実に口を付けたとたん、 

「うっへー!!こいつ間接キッスしたばい~!! 変態や!変態!!」 


と全員からはやし立てられる行為である。 

あるいは「ドッキリカメラ」とか書いた看板を持ったヘルメットおじさんが登場するのかもしれない。 

 えーい!! ままよ!!  ごっくん。



  



まぁ、今まで私が「ファーストキスは大学1年の時」と言っていた事の真実はこういう次第であったわけだ。 


母さん。

この数ヶ月後、自分が歌舞伎町ののぞき部屋『ピーピングトム』の常連になってるなんてこの時は思いもしなかったよ・・・・


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シェイク・シェイク

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