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13/5/20

自分の好きな映画について【スティング】:その2

Image by Olia Gozha

大人の階段、その一歩目(映画オタク的な意味で)

さて、無理やりな割には結構早く眠りに入った自分。
さすがに夕方ぐらいだから、それなりに寝ることが出来たのかもしれません。

で、約束よりちょっと早い20時半。
晩御飯食べて挑みなさいという田舎の優しいおばさんの心遣いにより、予定より早く起こされた自分は、起きた瞬間テンションマックスです!!

当時の中村少年は、21時には寝る健康優良児だったので、それ移行の時間帯は未知の時間だったのです。

なんせ、当時水曜の20時から始まるナイトライダー見たら即効でお風呂入って寝る、と言うオタクながらにも厳しいタイムスケジュールで過ごして時期だったので。

件のお兄ちゃんは未だ自分の部屋から出て来ません。

ニコニコ顔のおばあちゃんに見守られながら晩御飯を食べ、そのおばあちゃんと入れ替わりに居間に来たお兄ちゃんの手には…

懐かしのベータのビデオデッキと、ベータのビデオテープ!!

このお兄ちゃん、かなりこだわり派の変わり者で、自分の好きな映画はベータの本家本元であるソニーのデッキとソニーのベータテープにしか残さない人なんですね。

ですが、この田舎の家の主である伯父さん(お兄ちゃんのお父さん)はT社のエライさんで、たまに重役系の人もお家に来るので他社の家電製品を大っぴらに置けないのです。

そのため、自分の好きな番組の録画時と再生時だけわざわざ自分の部屋からデッキを持ってきて繋ぎ直すと言う生活をしていたのです。

僕にはしっかり、この母方の血が流れているわけですね。

さて、脱線が続きましたが、いよいよ夜更かしタイムの始まり。
思わずお兄ちゃんに聞いてみます。


「なに?何見せてくれるの?」

いとこのお兄ちゃん「タカくん映画好きやろ?気に入ると思ってな」

「(映画というとカンフー映画しか頭にないので)うん!!大好きだよ!!ホラーじゃなければ大好きだよ!!」

いとこのお兄ちゃん「じゃ大丈夫だね!きっと気に入ると思うよ!」

とまあこんな感じで、ビデオのセッティングを手早く終えたお兄ちゃん。

魅惑のオトナ時間へといざ突入です!

コレ違う!!!・・・んだけど・・・

そして始まる「スティング」。

軽妙な例のOPが流れる中で(おいおい、なんか古臭そうな映画だぞ・・・)と、裏切られたガッカリ感に包まれる僕を他所に、お兄ちゃんは気持よく缶ビールをプシュッと開けています。

そりゃまあ、映画といえばアクション映画かSFしか意識していないガキンチョ時代、いきなりレガシーなフォントのロゴと手書きの絵が出てくれば、ガッカリ感は半端無いわけで…

ただ、この時に不思議だったのが、OPタイトルにしてメインBGMでもあるエンターティナーが妙に僕の心を掴んだのです。

今聞いても綺麗なメロディーに、ゆったりとしながらスウィングの効いたリズム。間違いなく人類の音楽史上に残り続けるこのナンバーが、とてもオシャレに感じられて、僕のガッカリ感がスグに消え去ったのです。

10歳の糞ガキを虜にするOP。
今見返しても、聞き返しても、やっぱりしみじみと良い感じなのです。

コレは決して僕のセンス云々ではなく、作品の魅力なのでしょう。

(なんかコレは、大人の世界だぞ!!)

単純なガキンチョにしてチョット背伸びがしたいお年ごろの中村少年は、とりあえずの期待を持ってこの映画を見ることにしました。

か・・・かっけぇ!!!

そして現れる、ロバート・レッドフォード

当時映画俳優なんて言葉もろくに知らないガキンチョにとっては、名前を覚えている俳優なんてジャッキー・チェンぐらいで、西欧の人なんてほとんど気にかけて無い時代。

ナイトライダーのマイケル事、デビッド・ハッセルホフですら、KITTの付属物ぐらいにしか思ってませんから。

ですが、ロバート・レッドフォードにはやられましたね。

イケメン。とにかくイケメン。

当時彼は既に36〜7歳なわけですが、どこか青臭い、まだまだケツの青いガキの雰囲気を残しながらも、なんかやってくれそうなオーラがバンバンなわけです。

そしてイケメン。

いかにも主役!!って感じのこの名優を見て、中村少年は思うわけです。

(コレがハンサムか!!)

それまで僕の中でかっこ良い人っていうのは、ジェッキー・チェン(くどいな)とか、大葉健二(ギャバンの中の人)ぐらいなわけで、要はアクションというものが伴っている人しか「カッコイイ!!」って思わなかったのです。

つまり、ハンサムという概念が自分の中に無かった。

ところが、顔だけで10歳の洟垂れ小僧を虜にした、アメリカ人俳優「ロバート・レッドフォード」。

自分の中でのハンサム第一号です!!

当然、ハンサムだけじゃないのは、この先のストーリーが進むにつれて痛感させられるのですが・・・


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