口下手童貞少年、ナンバーワンホストになる ⑯ ボケる! 編

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私「いや~。ほんとうまいわ・・・。」

と素人感たっぷりのリポートをしながら食事をしていた。


N美「おいしいね!」


本当においしかった。

料理もおいしかったが、なにもかもが夢見心地だった。


気になっている子とご飯を食べて、

さらに支払は相手。


その時の自分にとっては申し訳なくてしょうがなかったが、

堤防に座って独り言をブツブツ言っていたあの頃の自分が見たら、

羨ましくてしょうがなかったであろう。




そして、店を出た頃には、時間は23時頃だった。


「どうしようか?」


という話になったのだが・・・


N美「店1時からだったっけ?

今日、ご飯も付き合って貰ったからちょっと店行くよ。」


私(えっ!?蟹だって良く見えなかったけど、三万近く払ってたよね?。

それでさらに店に?いやそれはいくらなんでも申し訳ない。)


私「いやっ、ご飯俺も一緒に行きたかったし、

ご飯代も出して貰っちゃったから・・店はいいよ。」


N美「店に来てほしくないんだ・・・。」


私「そんなんじゃないよ。そりゃもっと居たいけど・・・・。

だって店きたらお金かかるじゃん・・・・。安いお金じゃないし。」


N美「そんなのは大丈夫だよ!」




もうすでに惚れていた。


かわいい子がこんなにしてくれて、

こんな事を言ってくれている。


女性に対してのデフェンスがただでさえ弱い男なのに、

こんな状況になっていたら当たり前だった。


ドラクエだったら布の服にこん棒で最終のボスに挑むようなものだ。


そんなやりとりで結局Bに行くことになり、

1時までは時間があったので、店まで歩く事にした。


歩くといったが、またもや女性慣れしていないのが爆発していた。

食事をした店からBまでは歩いて・・・・・・


30分はかかる距離だった。


(歩いて行けばちょうどいいぐらいの時間だな。

店に着いて他の人にN美の席をちょっと任せてから、

寮にスーツに着替えに行こう・・・・。)



若い!若すぎる故の過ちだった!!!


女の子をヒールで30分歩かせる!!


罪な男である。


せめて、もう少し違う罪を犯せばいいのに・・・。


ただN美の足が疲労するという罪だった。

歩いてBに向かうという提案にN美は少し驚いていたが、


N美「わかったよ!」


と笑いながら言い、Bまで二人で歩いて向かった。



ビルや店舗の明かりで道が照らされ、

自分が主人公のようだった。


以前は車の窓越しに見ているだけだった夜の街の一部になった気がした。


あれほど憧れていた景色の一部になった気がした。


周りを見れば、


もう長袖にコートを羽織っている人もいる。


肌寒い季節が余計に切なくさせたのか。


少し歩いた頃には自分に酔うよりも、

自分がN美に釣り合っていないように思えた。


N美の身に着けている物のレベルがその気持ちに拍車をかけた。



そんな気持ちもわからないのか、

N美は話しかけてくれる。

たわいもない話を。


たわいもない話の一つ一つが、

自分に話しかけられている言葉とは信じられなかった・・・。


私ではなく、Kに対しての笑顔だったのだろうか・・・。


自分の力量を超えているような状況に置かれた時に

自分自身を疑ってしまう・・・。


自分の可能性を試したくて入った夜の商売であったのに、

可能性を疑ってしまう・・・。


そこには、凡人である自分がいた。



そして、Bに到着した時にはN美が

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