アメリカのローガン中学校は、午後2時半に真っ暗だった。

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 英語講師から数学講師に転身するときは、オリジナル、1対1、チェック&リピート、赤本をそれぞれ2周やって、センター試験は10年連続で受けました。私は、そのくらいやらないと、指導など出来ない程度の才能なんです。

 ところが、その才能の無さのお陰で、生徒の方がどういう点で間違いやすいかが才能のある人よりも良く見える。それで、丁寧な指導ができる。生徒の共感が得やすい。

 とすると、受験指導という職業にとっては「才能が足りないことが才能」と言えるわけだと悟ったんです。

 塾生の子たちは、よ学校の先生を

「あの先生は、Bランク大卒で信用できない」

 とか

「担任は、自分で受けたら落ちる」

 とか

「まったく無意味な問題練習をやらされるので、本当に困ります」

 とか、いろいろ不満をを口にします。

 私は、14年間名古屋の河合塾学園、名古屋外国語専門学校など7つの大規模校で指導させてもらいましたが、英検1級を持った講師に会ったことがありません。旧帝卒の講師は一人だけ会いました。

 それに受験英語の達人だとしても、それだけでは足りないんです。私はアメリカのユタ州、ローガン中学校で教師をしていた時期がありました。生徒の前で、四日市高校時代にならった英語で授業をしたら、ネィティブが授業を止めて私の英語の解説を始めたんです。

「なんでだろう?」

 と、同僚のアランに相談したら

「おまえの英語は、ジジイたちの世代の、さらに堅苦しい英語だぜ」

 と言う。だから、中学生たちには聞きなれない英語だったわけです。

 今も、そんな参考書や問題集や過去問を前にして生徒たちは四苦八苦しています。先生方も、四苦八苦しています。

 こんなに問題が山積して、その原因もハッキリしているのにテレビでは教育のことなど何も知らないコメンテーターが

「エロ教師は実名報道して追放すべきですね」

 と、当たり前のことをしたり顔で語っている。官僚は「ゆとり教育」とかワケの分からない政策で失敗したのに、今度はセンター試験を廃止して「新テスト」と言っている。教師の免許の更新制はどうかと言っている。

 的外れでズレている。

 でも、トップクラスの生徒を指導できる教師や講師は現場にそんなにいない。

 講師の大多数の方は「上級クラス」の指導を嫌がるのです。生徒の中には、講師が答え切れない難問や質問を持ってくることがあるから。

「今は忙しいから、あとでね」

 と言うと、生徒の方は「(この先生解けないんだ)」と思いつつ

「はい、分かりました」

 と言うんです。でも、その評定や間の取り方が実にいやらしい。講師をなめてる感が出るんですね。そして、二度と質問に来ないばかりか

「A先生は使えない」

 とか、ラインなんかで拡散させる。

 中級クラス以下なら、自分が圧倒的に学力が上だから安心なんです。上級クラスを指導する先生も、取り上げる問題を調べまくって授業で解説し、そのまま職員室に逃げ帰る。質問は受け付けないんです。

 だから、

「そんなことなら、DVDや動画といっしょじゃん!」

 と、東進衛星予備校が全国にひろがった。

 結局、学校にできることは

1、強制クラブは廃止して、生徒の自由時間を増やす。

2、校内順位を生徒に知らせて、対策をとらせる。

 そうすれば、生徒はプロのコーチやプロの講師のいる所で学べます。でも、現実は何も変わらないから内職や仮病が増えるわけです。

 塾生の中には、陸上で県大会に出るほどのアスリートもいましたが、夢をあきらめて受験にすべてを賭けてくる子もいました。

 そうして、何とかひねり出した貴重な時間を、質問に答えられない先生の相手をして浪費することは出来ない。その現実を認めて、彼らを自由にしてやれないものでしょうか。

「お前は、勉強のできる子しか見えていない」

 と批判されることが多いのですが、現場を知らない。今は、帰国市場も多い。私も中学三年生で英検1級に合格した生徒を教えたことがあります。2級の先生が、1級の生徒を教えるって、おかしいでしょう?

 そういう生徒に、中学三年生レベルの宿題をどっさり出す。今は、韓国、台湾、中国などとの競争が激しい時代。才能のある子を、今のように冷遇していたら競争に勝てるわけがない。

 今すぐに対策を打たないと、才能のある子たちは日本を捨てて外国に行きます。もうその傾向が現れ始めています。危機感を持つべきです。

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