最愛のビッチな妻が死んだ 第20章

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交際32日目 3月20日

「出逢ってすぐ婚約して一緒に住み始めて一ヶ月。既に色々大変な事もあったけど、一ヶ月記念に婚約指輪より先にお揃いの結婚指輪貰いました♡」(あげはのSNSより)

 そう、僕たちはこの日、シャネルに行き、結婚指輪を買った。

「幼妻」

「まだ開けてないよ。幼夫。嬉しい」

「まだまだ始まったばかりだから」

「うん」

 

 次の日から太一さんの出るパーティに行くため、三重県に旅立った。2人で夫婦守りを買いに神社を巡ったり、運転手を決めるUNOをしたり、修学旅行みたいで楽しかった。

 だが、この時の僕の楽しげなSNSに元僕の友人たちは激怒した。

 誕生日プレゼントを持ってきた友人はこう話し出した。

「49日って知ってる?もっと行動を慎まなきゃ」

 離婚後に出会い、真面目に付き合っていると説明したが、聞き入れてはくれなかった。 浮気してた僕が悪役で前の嫁が絶対。詳しくは書かないが僕が男性不妊で離婚されている側なんだが、言っても仕方のないことだし、浮気した僕が悪いと思い、ただ黙って聞いていた。

「楽しむ分は構わないとしてもSNSにあげちゃダメでしょう」

「今の彼女と別れて1年間1人でいたら友人に戻る」

 そして、前の結婚時の浮気や現在の行動を叱られた。言わせてもらえば、前の夫婦関係については年に数回会う程度の人に理解者ヅラして欲しくもないし、アンタは前の嫁に好かれてなかったよ、などど感情に任せて反論しようかと思った。

「僕はあげはと別れる気はないです」「あと、あげははいいコなんで悪く言わないでください。悪いのは全部僕なんですから」

 完全に喧嘩別れで会は終わった。

 なぜ、前の嫁に死なれたら、あげはと別れなきゃいけないのか。浮気に関して僕が罰せられるのは構わないが、あげはのことを悪くいうのはやめて欲しかった。

 その人がSNS上や前の会社、仕事関係者にで僕の悪口や非道ぶりを吹聴して回っているのを聞いた。それは俺のSNSストーカーをしているあげはの耳にもだ。

 悪口言われるのは覚悟の上なのだが、あげはとケンカの原因を増やすのは辞めて欲しかった。機嫌が悪くなると、僕のクズっぷりがわかるSNSのスクショがよく送られてきた。

 10年以上の友人や最近仲よかった人を含む、地元以外の元友人とは完全に切れた。別にあげは以外の人に嫌われても僕の何かが減る訳ではない。取るに足らん存在だと思う。結局、それきり一切連絡を取っていない。その友人にもらった誕生日プレゼントはすぐに捨てた。

 

 僕はあげはだけいればいい身体になってはいたが、友人全体に嫌われる体験はまだ違ったショックはあった。

「友達なんか全部いなくなればいいのに」

「あげはだけいればいい身体にもっと早くなればいい」

 あげはとの生活が楽しすぎて、残った友人関係すらおろそかにし出した時期である。

 このころ、あげはは椎名林檎『ありあまる富』を聴かせてくれた。そう、僕たちは「あげは」「共輔」というお互いにあまりある富を持っていた。

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