最愛のビッチな妻が死んだ 第19章
交際29日目 3月17日
昨日の夜中から、あげはは朝ごはんを悩んでいた。
「クリームシチューとバジルのパン、フレンチトーストで、悩んでる」"
「朝ごパンの話」
「どっちがいい?」"
「フレンチトースト!」
「御意ーー」
「クリームシチューは夜!」
あげはお手製のフレンチトーストを食べ終えた幸福感のまま、僕は出社した。今日の行ってらっしゃいのキスは味もフレンチだ、
「てらーー」
「行ってきます」
「いってらっしゃい王子。姫は圧力鍋とかプランター取りに行こうかなー」
「あげの姫はよいが、僕の王子はどうなんだw」
「じゃあ、殿?婿殿」
「ナウシカみたいだな」
「バルス」
「…それはラピュタやな」
「情報が錯綜」
「今なら、35歳の家庭教師がみっちり、じっくり付きっ切りで教えます」
「ムーミンも課題では?忙しいな」
この時点でラピュタはもちろん、ムーミンのDVDも全巻家にあったのがバレていた。
「あと、はだしのゲンとクッキングパパとうしおととらと…資料。資料ですね」
「クッキングパパはギリ興味持てるが」
「どこに出しても恥ずかしいリッパなオタに」
「中野に住んでるしね。でも、恥ずかしいのあかんやん」
出勤時の道中はいつもネタ出しの話になる。芸能人との薬物の取引の瞬間を撮るという者だった。
「高く売れる?」
「だろうね。写真の質にもよるけど」
「練ろう練ろう。そして海外行こう」
「あげ、ニュージーランドに4票!」
「4?w」
「ハワイでサーフィンに6票!あげ100票持ってるから」
「見たい国か…」
「共輔は?」
「マチュピチュとかイースター島のモアイ像、アンコールワットとか」
「マチュピチュ良いね」
「ベタにグアムかハワイやバリ」
「ヴィヴィアンの本店行きたい。」
「ロンドン?」
「ロンドンに80票」
「メシまずそうw」
「でもヴィヴィアンあるよ!どうせカロリーメイトで生きてたでしょ」
実施に食べても吐いてしまうので、なぜか信用していた機能性食品やゼリーなどで栄養を補って生きてきた。
「ロンドンか…鋲ジャンとパブロックのイメージだな」
「街灯が綺麗なイメージ」
「モンティパイソンとパンクしか情報源がないな」
「とりあえず〇〇あたりに、最近どーよ的なメール送って第二候補のネタを作っとくわ。
実家に荷物取りに行ってくーるーー」
「ホントにムリはしないでよ。あげの嗅覚信じてるけど、危険なことはやめてね」
「わかってるよ」
いつもの毎日であった。そして、この日は朝から栄養採ったせいか、ささくれがちょっと治った。
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